zoom×シナリオプランニング・ワークショップで感じた3つのこと

シナリオプランニング

 

2020年の4月、5月をふり返ってみると

 

4月  7日 東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・兵庫・福岡の7都府県を対象に緊急事態宣言が発令。

4月16日 緊急事態宣言の対象を全国に拡大。
5月14日 東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・兵庫・福岡・北海道以外について緊急事態宣言を解除。

5月21日 大阪・京都・兵庫の3府県について解除。
5月25日 東京・神奈川・埼玉・千葉・北海道についても緊急事態宣言を全面解除。

人の移動や対面での打ち合わせ・会議等がしづらくなり、

在宅勤務やリモート会議が一気に進んだ時期でした。

 

この期間中、従来訪問で実施していたコンサルティングもオンライン化したり

研修もオンラインで実施したりしました。

 

また、メルマガで無料相談やセミナーの告知をしたところ、遠方の企業の方に

ご参加いただいたりもしました。

 

ZOOMのメリット・デメリットは?

 

実施してみたZOOMのメリットとしては

 

・遠方の方にもご参加いただける。

・移動しなくていいので、付加価値業務に時間を効率的に使える。

・思い立ったときに、すぐミーティングできる。

 

ZOOMのデメリットとしては

 

・参加者のリアクションがわかりにくい。(特に画面が暗くて表情がよく見えない場合など)
・前後の雑談などでの人間関係構築がややしづらい。

・同じ空間を共有することのつながり感が得られにくい。

・話すときに間が取りにくい。(間を取って話すと「画面が固まった」と勘違いされる)
・ノートパソコン等の環境が整っていない企業とはそもそも実施できない。

などなど。実施して気づいたことも数多くありました。

 

シナリオプランニングとは

 

さて、いろいろやってみた中で、記録しておきたいと思ったことの一つが
ZOOMでのシナリオプランニング・ワークショップです。
 
シナリオプランニングとは、起こりうる複数の未来シナリオを予め想定しておくことで
危機管理能力を高め、意思決定の質を上げる手法です。

 

なぜ、ZOOMでシナリオプランニング・ワークショップをやってみようと思ったのか。

それは、新型コロナウィルスの問題がどうなっていくのか、しっかり考えてみたいと

思ったことがその理由でした。

 
・新型コロナウィルス感染症の問題は、今後、どうなっていくのか。いつまで続くのか。
・どのような分野にどのような波及効果があるのか。
・新型コロナウィルス感染症の問題が収束しても、たぶん元の世界には戻れない。
・おそらく大きな時代の転換期にいるのだろう。
・ただ、渦中にいると、目の前のことで頭がいっぱいになりがち。


 「今は早くコロナが収束してほしいだけ」とか
 「早く緊急事態宣言が解除になってほしい」とか
 「コロナなんてもうウンザリだ」

 「自粛疲れ」

 などなどの言葉が聞こえてくるけれど

 

・後で考えたら「冷静に考えたら、気づけることはあったのでは?」と思うかもしれない。
・不確実性が高い状況下だからこそ、もっと長いスパンで先を考える必要があるのでは?
・緊急事態宣言の最中でもできることがあるのでは?
 
緊急事態宣言下の4月23日、私はそんなことを考えていました。
そう思った思いつきのまま、Facebook にこんな投稿を投げかけてみたのです。

 

シナリオプランニング・プロジェクトのスタート

 

”【完全な思いつきです】

ある一つの出来事を契機に、世の中の情勢が大きく変わることってありますよね。

たとえば「新型コロナウイルスの登場」などはその最たるものだと思います。

 

では今後はどうでしょうか?どのような情勢に変化していくのか?

みんな知りたいことだと思います。

 

これを予測することは誰にも難しいと思いますが、考えてみることはできます。
そのときに使える手法が「シナリオプランニング」です。


「シナリオプランニング」とは今後起こりうる(起こるかもしれない。起こらないかもしれない)ことを考え、

起きたらどうなるか。起きなかったらどうなるかを考えてみることで、起こりうる未来に備える考え方です。

 

今後起こりうることのうち
・人の心理が動く、大きな出来事は何か?
・それが起こったら、一気に潮目が変わることは何か?
・ブレイクスルーは何か?


たとえば
・ワクチンの早期実用化
・治療方法の確立
・新型コロナに関する新たな知見の発見
・行政・警察・医療等社会インフラの毀損・機能低下
・死者数がインフルエンザ死者数に達する


などなどが考えられます。そして、それが起こったら、その後はどんなシナリオが起きうるか。

複数のシナリオを考えておくことで、未来に備える手法が「シナリオプランニング」です。


私は以前に「シナリオプランニング」を学び、知的資産経営の一部で使っているのですが、

今こそ「シナリオプランニング」の手法を活用すべき時かもしれないと感じています。


もしご興味がある方がいらっしゃいましたら、どんな形になるか。実現できるか。

現時点でノーアイデアですが、一緒に考えてみませんか?”

 

この投稿に10人の方々がコメントをくださって、シナリオプランニング・プロジェクトが

スタートすることになりました。

 

さて、リモートでのワークショップをどう進めたのか

 

メンバーが決まって、スタートしたシナリオプランニング・プロジェクト。

具体的には、4月末から5月初めのゴールデンウイークの期間に、3日に分けて実施することにしました。

 

さて、シナリオプランニング・ワークショップでは、複数のメンバーが対話しつつ、

模造紙に付箋を貼りながら、シナリオ作成していきます。

 

模造紙に付箋部分をリモートの場合、どう進めたのかというと

これは、Googleプレゼンテーションを使いました。

 

Googleプレゼンテーションとは、オンライン版のパワーポイントです。

Googleスプレッドシートのパワーポイント版です。

 

ZOOMで話しながら、Googleプレゼンテーション上で付箋をペタペタやるイメージで実施しました。

 

実際にやってみた記録が下の図です。

 

シナリオプランニング・ワークショップ
シナリオプランニング・ワークショップ

 

下のチャートはこのときの意見交換を元にベースシナリオをまとめたものです。

 

(シナリオプランニングでは、ベースシナリオとサブシナリオを作成します。

 ベースシナリオは予想される未来。サブシナリオは起こりうる複数の未来シナリオです)

シナリオプランニング

zoom でシナリオプランニングのワークショップをやってみて感じた3つのこと

 

実際に3日間のプロジェクトをやってみた感想としては…。

自立性・主体性の高いメンバーの場合は、ZOOMでも十分にワークショップが可能」ということです。

 

言葉を返すと、参加者が受け身な場合は、なかなか難しい…とも言えます。

理解状態が十分に把握できないし、反応を見ながらの細やかなフォローもしづらいためです。

 

そして今回、改めて、シナリオプランニング・ワークショップを行うことで

 

1.一人で考えるよりも視野が広がる。創発効果が高い。
2.相互壁打ちで考えをまとめていきやすい。
3.情報感度が高まる。

 

ということを体感することができました。

 

上記1と2は、ワークショップ形式によるメリット、

3は、シナリオプランニングという手法自体のメリットです。

 

「相互壁打ち」という言葉は補足説明が必要かもしれません。

 

考えを聞いて、質問で返すことで、より考えを広げてもらったり、深めてもらうことを

「壁打ちの相手を務める」と言っています。キャッシュフローコーチ用語です。

 

今回は、複数メンバーでお互いに意見交換しながら、考えをまとめたので、「相互壁打ち」の状態でした。

 

こうやってふり返りをしてみると、ZOOMだから…という特有のことはあまりないようにも見えます。

 

ただ、今回、手をあげてくれた10人のメンバーの中でシナリオプランニングの経験者は一人だけ。

後の9人は、シナリオプランニングは今回初めてというメンバーでした。

 

未経験のメンバー、しかも、東京、宮城、京都、大阪、兵庫、広島、高知のメンバーに集まってもらうことが

できたというのはZOOMならではの良さと言えるでしょう。

 

参加メンバーによる感想は

 

今回の参加メンバーの方々からはこんな感想をいただきました。

 

・「面白かった。モノの見方・考え方が多面的になった
・「どんな要因が物事を引き起こすか想定してみること。一人で考えるよりもふり幅が大きくなった。

  シンプルにありがたいと思った」
・「足元のことで精一杯で不安だったが、先を見ることで希望を感じることができた

  一歩踏み出していきたい」

・「参加できてよかった。こうなったら、こうなるとちゃんと見ようとしていなかった。

  悲観的なことばかりじゃなく、チャンスはきっとある。自分の存在価値ややりたいことは何か。

  改めて考えたい。」
・「刺激を受けた。地域が違うとこうも違うのか」
・「コロナは人類史上、産業革命なみの事態。シナリオプランニングを経験できた。

  リアルなら、付箋を使うところを、googleプレゼンテーションを使う手法も面白かった。

  自分が関わっていること以外を俯瞰的にみることができた。ミクロに落とし込んでいけそう」

・「自分はどうしないといけないか。ヒントが見つかった」
・「楽しかった。自分ひとりでは到底気づけないことや、ハッとするようなことがたくさんあった

  頭の中を整理できた」

 

スペシャル・サンクス・トゥ

 

今回、プロジェクトに参加してくださった

 

足立早恵子さん(中小企業診断士)
乾 京子さん  (中小企業診断士)
及川宗峰さん (キャッシュフローコーチ)
荻野将一さん (キャッシュフローコーチ)
神佐真由美さん(税理士)
島本栄光さん (システムアナリスト)
中尾友和さん (中小企業診断士・キャシュフローコーチ)
仲光和之さん (中小企業診断士・キャッシュフローコーチ)
中村佳織さん (中小企業診断士)
はらゆきこさん(ファシリテーター・研修講師)

 

ありがとうございました!

 

シナリオプランニング
シナリオプランニング

 

また、そのうちにご一緒しましょうね。

今、資金確保と社員の安全対策を

 

新型コロナウイルスの影響で多くの中小企業が苦しんでおられます。
困難な状況下の中小企業にまずお願いしたいことは手元資金の確保です。

理由は、企業においては【資金ショート=倒産】であるためです。

 

早く動いた企業は、早期に融資を受けられ、今、落ち着いて今後の対応策を前向きに検討することができておられます。

 

資金調達方法としては、遊休資産の売却の検討なども必要でしょう。

そして、すぐ動いていただきたいのは、やはり金融機関からの借入です。

 

その中でも、まず検討したいのは日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」です。

 

(1) 日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」

日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」は、最近1か月の売上が前年比5%以上減少の場合に、利用できる融資制度です。

 

売上が15%減少していれば利子補給の対象になります。

 

15%減少は小規模法人の場合。中規模法人の場合は売上20%以上減少が要件。小規模法人とは、製造業・建設業・運輸業などでは従業員数20人以下・サービス業・卸売業・小売業では5人以下)

 

最長5年の据置期間もあります。

 

据置期間とは、金利だけ支払えば、元金は返済しなくてもいい期間のことです。

 

通常、借入しても返済が資金繰りの負担になることが多いです。

元金を返済しなくていいとなると、資金繰りはぐっとラクになります。

 

手続きは、郵送・インターネットで申込が可能です。

 

日本政策金融公庫では、緊急事態宣言下の計50支店で、営業終了時間を17時から15時までに変更し、インターネット申込や、郵送による申込書類の提出を推奨しています。

 

●日本政策金融公庫

https://www.jfc.go.jp/n/release/pdf/topics_200415a.pdf

 

ただし、日本政策金融公庫には現在、申込が殺到し、今申し込んでも2か月待ちという話も聞いています。


日本政策金融公庫以外で利用を検討したいのが、民間の金融機関の保証協会付融資です。

 

(2) 保証協会付融資

保証協会付融資には、いくつかの種類があります。

 

売上が20%以上減少の場合、「セーフティネット保証4号」が利用可能です。

 

この「セーフティネット保証4号」の利用には、市区町村の認定証が必要です。

 

大阪市の場合は大阪産業創造館2Fで認定証の申請を受付しています。

 

ただし、認定証の申請のために多くの企業が殺到し、受付のために、3時間待ち、4時間待ちの状態となっています

 

大阪市では、認定証の申請待ちでの感染リスク回避のため、「セーフティネット保証4号」と「危機関連保証(6項)」について、2020年4月15日から郵送による申請受付を開始しています。

 

●大阪市

https://www.city.osaka.lg.jp/keizaisenryaku/page/0000500712.html


また「売上は下がっているけれど、20%以上ではない」という場合には、「セーフティネット保証5号」が利用できる場合があります。

 

こちらは、売上5%以上減少が対象です。

 

ただし業種の指定があるので、自社が対象かどうかは確認が必要です。

 

この「セーフティネット保証5号」の認定申請については、郵送申請の対象外となっている点にも注意が必要です。

 

保証協会付融資の場合、借入の申込先は民間の金融機関になります。

 

ふだんから借入のある企業の場合は、借入のある金融機関に相談できるでしょう。

 

困るのは、無借金の会社です

 

財務内容がどんなに健全でも、通常、金融機関はふだん取引のない企業からの突然の借入の申込を歓迎しないものです。


金融機関は一般に、リスク回避指向なので、取引のない企業からの突然の借入の申込に対しては、どうも警戒心があるようです。

 

ただし、今は「新型コロナウィルス感染症に係る資金繰り等相談窓口」を設けている金融機関もあります。

どうしても相談する先がない場合は相談してみてはいかがでしょうか。

 

(例)関西みらい銀行「新型コロナウィルス感染症に係る資金繰り等相談窓口」
https://www.kmfg.co.jp/news/kmfg_c/download_c/files/20200217_1f.pdf

 

(3) 福祉医療機構の無担保・無利子融資

医療・福祉関係の場合は、福祉医療機構からの融資も可能です。

 

新型コロナウイルスの感染症の影響を受けた福祉・医療関係施設に対する、無担保・無利子の融資を行っています。

 

●福祉医療機構

https://www.wam.go.jp/hp/fukui_shingatacorona/

 

(4) 固定費削減

資金調達と合わせて、固定費削減も検討したいところです。

固定費の中で特に大きいのは家賃でしょう。

 

国土交通省は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、飲食店等のテナントの賃料の支払いについて柔軟な措置の実施を検討するよう、不動産関連団体などに要請しています。

 

●国土交通省

http://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo16_hh_000201.html

 

ただし家主さんも売上低下は痛手です。

国土交通省からの要請はあくまで要請であって、強制力はありません。

 

依頼するときは「この場所で営業を続けたい」という意思を誠意をもって伝え、依頼することが必要でしょう。

そして、できれば合意したことを書面で残しておくことができれば、より安心です。

 

他には、活用度の少ない定期会費や効果のよくわからない広告費等々も見直しをしたいところです。

 

企業によっては、保険料が多額である場合もあるでしょう。

 

保険会社については、解約するという選択肢以外に契約者貸付を受けることも可能です。

解約せずに契約者貸付を受けるメリットは保証を継続できる点です。

 

保険会社によっては保険料の払込の猶予措置もあるようです。
一度、相談してみられることをお勧めします。

 

(5) 社員の安全対策

資金確保と並行して、社員の安全の確保策も重要です。

 

・在宅勤務にする。
・事務所を二分割して、感染リスクを軽減し、事業継続する。
・思い切って、一定期間休業する。

 

などの方策が考えられます。

 

休業の場合は、雇用調整助成金も利用できます。

休業手当の9/10の補償が受けられるという制度です。

 

資金調達と社員の安全性確保ができたら、コロナ後に自社は何をするのか。

今から考えておきたいものです。

 

長期戦になるかもしれないけれど、いつかはコロナも収束します。

 

コロナ収束後は、元の社会に戻るのではなく、多くのことが変化していることでしょう。

 

・リモート・デジタルの進展。
・中小企業においても内部留保重視や計画的経営へのシフト。
・有事への対策強化
・人の価値観の変化

などなど。

 

先を見て、自社はどんな企業になっていたいのか。
社会の中でどんな存在になっていたいのか。

 

この先に希望はきっとあります。

 

困難な状況下で、物事にどのように向き合うか

 

理念策定のお仕事をさせていただいています。

 

「成果につながらない理念は意味がない」と考えているので、

社内での浸透を前提として、策定段階から、社員さん向けの勉強会などを

しながら策定を進めています。

 

以下は、理念策定のプロセスの一環として、社員さん向けに実施している

「成果につながる自立的思考と行動研修」で私がお話ししている

「私の充実体験」です。


私は、以前はメーカーに勤務して、マーケティングや営業企画などの

仕事をしていました。

 

たまに営業に同行する営業同行の機会があり、それが楽しかったので、

自分も営業の仕事をメインにしたいと思い、そのように申請しました。

 

ところが、もらった辞令に書かれた異動先は「情報システム部」。

 

「えっ?なんで…?」と思って尋ねると、

 

「情報システム部が社外向けのシステムを開発し、これから新規事業として

立ち上げる計画である。

 

ところが情報システム部にいるのは全員エンジニア。営業がいない。

なので、営業がしたいなら、異動してそのシステムの営業をするように」

とのこと。

 

「思っていた仕事とだいぶ違うなあ…」と思いつつ、

数十人の情報システム部の中で、たった一人の営業として業務を開始。

 

しかし、自分のスキル不足・経験不足・システムの不備や完成度不足

などの問題もあり、ちっとも売れない…。

 

そのうちに上司に言われたことが

「ぜんぜん売れないじゃないか。売れない営業は要らない。

ウチはシステムの部署なので、売ることができないなら、

システム開発をしてくれ。

 

えっ?システム開発なんて、したことがないって?

じゃあ本を買って勉強したらいい。必要な本は自分で買ってくれ」

とのこと。

 

「これは困ったことになった…」と思いつつ、ほかに選択肢もなく、

しかたなく勉強開始…。

 

そのうちに少しずつできるようになり、ちょうど会社が社外のシステム

受託に力を入れ始めたタイミングでもあったので、いろんな仕事を

させてもらいました。

 

某大手化粧品会社のシステム開発。某大手製薬会社のシステム開発。

某量販店のシステム開発などなど…。

 

その後、中小企業診断士の資格を取得し、会社を辞めて、

今はこんな仕事をして、皆さんにお会いすることができています。

 

システム開発を指示されたときには「これは大変なことになった!」

と思ったけれど、勉強して「今からでも、やればできる」という

感覚を持てたから、その後、中小企業診断士の勉強もやってみよう!

と思うことができました。

 

あの時に必死になって勉強し、仕事したことが今の自分につながっている。

だから、これが私の「充実体験」です。


こんなお話を社員さん向けにしています。

 

困難な状況下で、人がレジリエンスを失わないためには、

以下の3つが必要だそうです。

 

1.この状況がいつまでも続くわけではないという俯瞰の感覚・全体観を持つこと。
2.「自分はやり通せる」という楽観的な気持ちを持つこと。
3.どんな出来事にも何か意味があると思うこと。

 

今回の新型コロナの問題もずっと後になって「こういう意味があった」

と思えるようになる。

 

そう信じて、乗り切っていきましょう。

 

先に言えば「説明」。後で言えば「言い訳」

 

あるヘラ絞り加工業をされている方との会話です。


「このところ、バタバタで仕事が進まなくて、困ってるねん!!!」
「どうされたんですか?」

 

「マグカップを受注してんけど、ヘラ絞りだとどうしても内側にキズができるねん。

 ”家庭で使うもんやから、内側にキズがあると困る”って…。

 途中でシビアなことを言われて、”磨き屋と相談して”って言われて、磨き屋に相談に行ったり…。

 そんなこんなで予定していた加工が進まないねん!」

 

「それは大変ですね…」

 

「そもそも以前なら、大きい会社の仕事してたから、ロットも大きくて集中して加工もできたけど、

 今は多品種小ロット。問い合わせを受けたら、後加工の業者への指示も必要になるし…。

 付随作業が多くて、大変やねん!」

 

「今後はどうされますか?

 大ロットの仕事だけを受けるようにされますか?」

 

「いや…。小ロットのデザイナーさんとの仕事は楽しいから受けたいし…。

 でも、加工してみると、どうしても想定外のことは起きてしまうねん…」

 

「そうしたことをいろいろとご経験されてきたから、ノウハウが蓄積されてるんでしょうね」

「そうやねん!経験になるし、チャレンジは大事やねん!」

 

「そのノウハウを活かす方法って何か考えられませんか?」

「うーん…。今後は問い合わせを受けたときに、

 ”内側にキズができる可能性があります”って、事前説明しておくとか…?」

 

「いいですねー!!!キャッシュフローコーチ協会では、

 それを『先に言えば「説明」。後で言えば「言い訳」』って言っています!」

 

「ホンマやなあ!それ確かに言えてるなあ!

 …ということは、最初からホームページにも説明を入れておくとか…?」

 

「それもいいですね!!!他にできることは何かないでしょうか?」

「そうやなー。内側にキズがあってもいいなら、この金額でできます。

 キズが不可なら、この金額になりますって、逆提案したらどうやろ…?」

 

「見積の複数提案ですね。それ、めっちゃいいですね!!!」

 

結論としては

・多様な加工を経験してきたノウハウをホームページで開示する。
・問合せのときにも事前説明する。
・要求精度に応じた複数見積を提示する。

 

事前に、伝えることが大事だよね!という結論になりました。

価値を高めることは大事。そして、価値を伝えることもそれと同じくらい大事ですね。

 

なお、このヘラ絞り加工業さん。吉持製作所さんという企業さんです。

ヘラ絞り体験も受け付けておられます。


ご興味があれば問合せされてみてはいかがでしょうか。

https://yosimoti.com/

 

借入金の返済が進まない理由は 

 

しばらく前のお話です。

ある専門家と経営者の会話を横で聞いていて、モヤモヤっとしたことがありました。

 

どんな会話かというと、決算書を見ながら

「イイ感じにされていますねー」 って専門家の方が話されているんです。

 

その「イイ感じ」というのが何かというと、利益が少ない。

だから、税金をあまり払わなくていい。そういう意味らしいんです。

 

それをイイ感じというのか???

横で聞いていて正直モヤモヤっとしました。

 

皆さんは利益の額として、いくらくらいが理想的、あるいは適正とお考えでしょうか?

 

「銀行の手前、赤字は困るけれど、利益が多いと税金も多くなる。
 だから、ソコソコの適度な利益がよい」

 

そういう考えの方が多いように感じています。

 

これって、いくらの利益額にしたいか。その利益額の明確な基準がない。

もしくは税金だけの基準になっている。そういう状態です。

 

利益って、税金計算のためだけにあるのではありません。

利益はキャッシュの源泉です。

 

だから、今後どんな会社を目指すのか。
そのためにはいくらの投資が必要なのか。

 

あるいは借入金を減らしていくために、いくらの返済原資が必要なのか。

その中長期ビジョンがあって始めて、いくら利益を上げる必要があるのか。

必要な利益の金額を考えることができます。

 

税金基準だけで利益を考えているといつまで経っても借入の返済が進まない。

そんなことになりかねません。

 

あるいは、将来に向けて投資したい場合、銀行借入が必要という場合が多いでしょう。

借入を有利に進めるためには、やはり一定の自己資本比率も必要です。

 

自己資本比率を高めるには、利益を上げていく必要があります。

 

自社は今後どうしたいのか。
どんな会社を目指すのか。

 

ビジョンと数字は経営の両輪です。

 



「管理職1年目の教科書」


「管理職1年目の教科書」(櫻田毅)を読みました。
管理職の役割=「チームの成果の最大化」とした上で、

そのために必要な6つのルールについて解説した本。

 

6つのルールとは

 

1.迅速な意思決定のルール
2.ムダなく仕事を進めるルール
3.スピード感を生む時間活用のルール
4.成果につながる権限委譲のルール
5.高生産性人材を育成するルール
6.最強チームを構築するルール

 

の6点。見出しを読むだけでも有用と思うので、長いけど、

6カテゴリー全36のルールを以下にご紹介します。

 

1.迅速な意思決定のルール

ルール1 「慎重な人」という評価を放置するのをやめる
      …「決断のデッドライン」で決めることに慣れる

 

ルール2 情報量が多ければ正しい判断ができると考えるのをやめる
      …目的に立ち返り「決断の基準」を定義する

 

ルール3 「できることからやっていこう!」という安易な判断をやめる
      …「問題整理」を行い効果のあるアクションをとる

 

ルール4 「ここまでやったから」で続ける大損パターンをやめる
      …「コンコルド」の失敗と「インテル」の成功に学ぶ

 

ルール5 「そのうちに」という曖昧な約束をやめる
      …その場でスケジュール帳を開いて日時を確定させる

 

ルール6 場当たり的な決断をやめる
      …自分の「決断のスタイル」を持つ

2.ムダなく仕事を進めるルール

ルール7 締め切りが先の仕事は横に置くのをやめる
      …「ちょっとだけ」手をつけると仕事は格段に速くなる

 

ルール8 プレゼン資料を1ページ目から作るのをやめる
      …最初に「全体像のデッサン」を描く

 

ルール9 結論を出さない会議をやめる
      …「決める会議」をするための3つのルールを徹底する

 

ルール10 行動計画を決めない会議をやめる
      …メンバー自身の行動宣言で実行を確約させる

 

ルール11 時間差でフィードバックするのをやめる
      …リアルタイム・フィードバックがチームの成功を促す

 

ルール12 「とにかくやってみる」という熱意のカラ回りをやめる
      …「仮説・検証」のループで正解に早くたどり着く

 

ルール13 A4一枚にまとめるために縮小コピーする笑えない作業をやめる
      …ルールで縛るのではなく仕事の趣旨を理解させる

なお「決める会議」をするための3つのルールとは


① その会議の意思決定者が誰であるかを明確にしておくこと。
② 最終的に意思決定者が下した判断を出席者は受け入れること。
③ 決定内容は後から覆されることは絶対にないこと。

の3点とのこと。

 

「仕事の大小に関係なく、どのような仕事でも、その件に最終的に責任を持つ人がいるはずです。
その人が意思決定者です。

課長が主催する課内の会議であれば、当然、課長が意思決定者であるべきです。

 

会議の目的は合意形成ではありません。『決める』ことです。
より正確に言うと、出席者の声に耳を傾けることで、意志決定者ができるだけ正しい選択をすることです。
そこで『みんなの意見は聞くが、最終的に決めるのは自分である』ということを
常にチームの共通認識としておくことが大切です。」

3.スピード感を生む時間活用のルール

ルール14 「いた方がいいから」で会議に参加させるのをやめる
     …日本の会社にありがちな「あった方がいい病」を撲滅する

 

ルール15 返信を先送りするモラトリアム・メールをやめる
     …即断・即決・即返信でコミュニケーションの好循環を生む

 

ルール16 仕事を止める「ボトルネック上司」をやめる
     …「12時間ルール」で相手に仕事を渡しておく

 

ルール17 スキマ時間の活用=生産性向上という思い込みをやめる
     …「集中力の使い方」でチームを前に進める

 

ルール18 締め切り間際の「滑り込みセーフ」をやめる
     …「マイ・デッドライン」で仕事のペースを乱さない

 

ルール19 報告書は出張後に書く習慣をやめる
     …出張前に半分書いて論点整理を図る

4.成果につながる権限委譲のルール

ルール20 任せたら口を挟まないという育成目的の権限委譲をやめる
     …成果に向けて「正しい課題認識」をサポートする

 

ルール21 裁量権を与えることが権限委譲だと考えるのをやめる
     …「裁量権」と「判断基準」を同時に与えて権限委譲と呼ぶ

 

ルール22 仕事の質と時間はトレードオフの関係だという勘違いをやめる
     …質とは完成度ではなくニーズへの合致性だと定義する

 

ルール23 合理的な説明で上司を説得できると考えるのをやめる
     …上司の「得」を見抜いて健全に「上司をころがす」

 

ルール24 「個人的には反対なのだが」と部下の前で言うのをやめる
     …「これで行こう!」と戦闘モードで部下を鼓舞する

 

ルール25 「苦言を呈する部下は重宝される」と信じるのをやめる
     …上司から大切にされる唯一の基本原則を実践する

 

5.高生産性人材を育成するルール

ルール26 「グッジョブ!」とほめるだけの声掛けをやめる
     …成功体験から正しく学ぶための4ステップを知る

 

ルール27 本人任せの無責任な「失敗から学べ」をやめる
     …失敗体験から正しく学ぶための4ステップを知る

 

ルール28 「勉強になっただろ」で済ませる学習機会のはく奪をやめる
     …応用力をつけるために背後の思考過程を理解させる

 

ルール29 会社の評価だけに依存するのをやめる
     …成長スピードを加速させる自己評価の習慣を持つ

 

ルール30 できない部下に時間をかけるのをやめる
     …「上位人材」の頂点アップで成果を伸ばす

 

6.最強チームを構築するルール

ルール31 考えを「伝える」ことに執着するのをやめる
     …「伝わる」話し方で行動原則を示す

 

ルール32 仕事の目標だけを語るのをやめる
     …部下にチームの存在意義を語る

 

ルール33 すべてを自分で管理しようとするのをやめる
     …「心理的安全性」を職場に生み出す

 

ルール34 「部下の主体性がない」と嘆くのをやめる
     …「Yes/Noルール」で自分で考える機会を作る

 

ルール35 チーム内での役割を決めつけるのをやめる
     …「誰もがリーダー、誰もがサポーター」という最強のチームを作る

 

ルール36 忙しいことをアピールするのをやめる
     …「当たり前」のレベルを高めて涼しい顔で仕事をする

ルール31 「伝わる」話し方で行動原則を示す

なお、行動原則がメンバーに「伝わる」ためには、次の3点を心がけると効果的とのこと。

 

① 理由を伝える
② 個人のメリットを伝える
③ 日常業務の中で伝え続ける

 

そして、具体例として、著者のかつての上司の「迷ったときにはやる」という行動原則について
上司が以下のように伝えてくれていたことを説明されています。

① 理由を伝える

「我々は新しいことに取り組んでいる部である。
ビジネスチャンスを逃さないことが何より大切。
もし失敗しても、すぐに別の方法でやり直せばチャンスは続く。
しかし、やらなければ永遠にチャンスは来ない。
だから、迷ったときにはやるんだ」


この言葉は、部員にとって納得感も高く、

何より、失敗すること自体が責められることはないという

安心感を持つことができたそうです。

② 個人のメリットを伝える

「理想は、確信を持って、やるか、やらないかの判断ができることだ。
 もちろん、ビジネスでは本当にやるべきではないときもある。
 しかし、その判断を正しく行うためには『仕事のカン』を養うことが大切だ。
 『やらない』ことをいくら繰り返しても『仕事のカン』は磨かれない。
 やって失敗するから『仕事のカン』は磨かれる。
 自分が責任を受け持つ部の中で、思う存分『カン』を磨いてくれ」

 

この言葉を聞いたときは、ビジネスパーソンとしての成長の機会を与えてもらったようで、

とても嬉しかったそうです。

③ 日常業務の中で伝え続ける

上司は、日常業務の中でことあるごとに
「うーん、これは迷うな。
 でも、迷ったときにはやるんだ。よしやろう!」
と行動原則を聞こえるように口に出していたそうです。


そのうちに部下たちも「迷ったときはやろう!」と

お互いに声をかけ合うようになっていったそうです。

 

ルール32 部下にチームの存在意義を語る

チームの存在意義については、ケネディ元大統領のエピソードが紹介されています。

 

「かつて、ケネディ大統領がアメリカ航空宇宙局を訪問した際に
ホウキを担いだ清掃作業員に
『あなたは何をしているのですか』と尋ねたそうです。


その作業員はその問いに
『大統領、私は人間を月に送るお手伝いをしているのです』と答えたとのこと。

 

目的意識とは、自分たちが自分たちの存在よりも大きな何かに参加して
そこで自分が必要とされていること、
未来へ向けての何かに役立っているということ。

 

そういう感覚です。」

 

なお、ルール7はキャッシュフローコーチ用語で「今すぐ15分」、

ルール32はミッション、ルール33はAAP。

 

ルール15、ルール19もキャッシュフローコーチの共通認識です。


管理職ということに関わらず、ビジネスで成果を上げるための行動原則と捉えても、

役立つヒントが見つかる本と言えるでしょう。

 

「社員29人以下の会社を強くする50の習慣」

習慣は能力を凌駕する

 

「社員29人以下の会社を強くする50の習慣」(金村秀一 著)を読んで、

なるほどを思う所が多々あったので、ご紹介します。

 

見出しがそのまま「社員29人以下の会社を強くする50の習慣」となっています。

見出しを読んで、取り入れたいことを見つけるチェックリストとしても使えそうです。

 

第1章 会社の仕組みをつくる習慣
 01. 年間スケジュールを立てる
 02. すべての業務をマニュアル化する
 03. 組織図をつくり幹部を育てる
 04. 定期的に人事異動する
 05. 連続5日間の長期休暇をとる

 

第2章 社内の環境を整える習慣
 06. 働く環境を整える
 07. 社内環境を点検する
 08. モノの置き場所を決める
 09. モノを捨てる(タイムカプセル)
 10. 社内を明るくする(シェアじゃんけん)
 11. ツキイチ改善をする

 

第3章 社長の仕事の習慣
 12. 率先してITツールを使う
 13. 早く決断する
 14. 現場へ行って事実を目で聴く
 15. やらないことを決める
 16. 年に4回、銀行訪問する
 17. 小さな失敗を数多くする
 18. 社員満足度を調査する
 19. 人を信頼しても、仕事を信用しない

 

第4章 社員を教育する習慣
 20. 社内の価値観を合わせる(ベクトル勉強会)
 21. 朝礼でラインをそろえる
 22. 6か月の行動計画を立てる
 23. 関係者の前で所信表明をする
 24. 人で差別化をする
 25. 会社の歴史を教える

 

第5章 社員とコミュニケーションをとる習慣
 26. 小さな行いに感謝する
 27. 社員を褒めて期待する
 28. 定期的に社員と飲みに行く
 29. 報告を聴きに行く
 30. 毎月30分、社員面談をする
 31. 全社員で時と場所を共有する
 32. 朝一番に感謝する時間を確保する

 

第6章 会社の数字を管理する習慣
 33. 未来を予測するグラフを見る
 34. 社内にスコアボードをつくる
 35. ゲームから数字に強い社員を育てる
 36. お客様ごとのMQ会計図をつくる
 37. 経営計画書をつくる
 38. 5か年の中期計画を立てる

 

第7章 お客様を獲得する習慣
 39. 20秒の法人営業をする
 40. お客様をえこひいきする
 41. ライバル会社をチェックする
 42. お中元・お歳暮に行く
 43. お客様の声を集める

 

第8章 社長の日常の習慣
 44. メンターを持つ
 45. あらゆることを記録する
 46. 定期的に人と会う
 47. 妻と取締役会をする
 48. 毎年新しいことに挑戦する
 49. 資本の体をメンテナンスする
 50. はがきを書く

本書を読んで、なるほどと思ったことをいくつか抜粋してご紹介します。

05. 連続5日間の長期休暇をとる

社員が「連続5日間の長期休暇をとる」ことのメリットとして以下の3点をあげています。


1.ブラックボックス化している仕事が明るみになる
2.わがまま社員がいなくなる
3.組織力がアップする

なるほど。確かにそうですね。

 

13. 早く決断する

著者は「考えたからといって、成功の確率が上がることはありません。

成功の確率を大きく左右するのは、その経験が過去にあるかどうかです。」として

意思決定を早くするコツとして以下の3点をあげています。


意思決定を早くするコツ①「損をしてもいいと、覚悟を決める
意思決定を早くするコツ②「社長も人間、間違えることがある
意思決定を早くするコツ③「失敗は未来の時間の先どり

確かにそうです。長く考えたからといって、いい結論が出せるわけではありません。

実行してみて初めてわかることも多い。だから早く決断する方がいいのです。

 

17. 小さな失敗を数多くする

「『失敗しない=成功』ではありません。

 『挑戦しない=ジリ貧経営のはじまり』なのです。」

これも確かにそうです。

 

22. 6か月の行動計画を立てる

著者の会社では、年に2回、12月と6月に全社員が集まり、丸一日を使って、行動計画を立てるそうです。

行動計画とは、向こう6か月のアクションプランを社員自らが立案し、PDCAサイクルを実施していく

プログラムとのこと。そして、6か月の行動計画の以下の5ステップとのこと。

 

1.過去をふり返らずに最上の未来のゴールを描く
2.ゴールが達成された未来から見た現在の気にかかる部分を冷静に分析する
3.もし現状のまま変化することを怠った場合、どのような状態になってしまうかを想像する
4.先で困らないために変えるべきことを列挙する
5.ゴールに向かうためにどのような方法をとるのかを決定する

 

「ゴールが達成された未来の自分から今日の自分を見て反省する。

 これを反省の先どりという意味で「先省」と言います。

 これはとても有効な手段です。

 過去の自分をふり返ると、自分に欠けていたものや、やっておくべきことだったことなど、

 当時の自分に対してアドバイスすることができるはずです。

 同じように、ゴールにたどり着いた未来の自分になりきって、そこから今の自分自身を見ることで、

 自分に欠けているものや、力を注ぐべきものが見えてきます。」とのこと。

 

 

本書の扉には「習慣は能力を凌駕する」と書かれています。

たくさんの経営のヒントを見つけることができる良書です。

 

 

会社がなくなって一番、困る人は…?

ある会社の社長と専務の会話です。

「最近、スタッフのやる気が感じられないばかりか、私とスタッフとの間の溝が深まっているような気がするんだけど、何か感じることはないかな?」

「やっと気づいたんですか。みんな、社長に操られているみたいだ、と言っていますよ」
「私がやっていることは、会社のため。そして、それはみんなのためだよ」
社長はいつも、みんなのため、と言っていますが、本当はすべて会社の利益のため。つまり社長自身のためじゃないですか


「そうかもしれない。……しかしね、会社がなくなったら、困るのはみんなも同じじゃないか!」
一番困るのは、…社長でしょ


「そもそも、会社の業績が悪くても、きちんと給料を払っているんだから、感謝しながら働くのが当然じゃないのかな?」
「みんなの意識は、そうじゃありませんよ。わずかな給与で働いているばかりか、これだけ社長を立てているんだから、感謝してほしいと思っているんですよ」

 

上記は、「メンタリング・マネジメント-共感と信頼の人材育成術」(福島正伸著)からの引用です。

そして、著者がかつて社長として、専務と実際に交わした会話だそうです。

 

著者はこの会話をきっかけに、感謝することを見つけるように努力したそうです。

そうすると、感謝すべきことがいくつもあることに気づきました。

 

・朝、スタッフが会社に来てくれたら感謝
・電話を取ってくれたら感謝
・コピーを取ってくれたら感謝
・仕事を手伝ってくれたら感謝
・そもそも、こんな小さな会社で一緒に働いてくれるだけで感謝

 

毎日、感謝しながら仕事をしていると、ある日、一人のスタッフからこう言われたそうです。


社長、今日もみんなのためにがんばってくださって、ありがとうございます

 

本書には、こう書かれています。

 

 自分の周りにいる人は、自分の鏡である。

相手がそうしているのは、自分がそうしてきたから。
相手が本気にならないのは、自分が本気になっていないから。
怒らないとやらないのは、怒ってやらせてきたから。
周りが助けてくれないのは、自分が周りを助けてこなかったから。
部下が上司を信頼しないのは、上司が部下を信頼してこなかったから。

 

他人を変えたければ、自分を変えればよい。
人を育てたければ、自分が育つ姿を見せることである

 

 私ももっともっと感謝することを見つけてみようと思います。

 

経営方針は「一人一人が楽しい人生を送れる会社」

一人一人が楽しい人生を送れる会社

 
有限会社アバン様の経営計画発表会に出席させていただきました。

社長が発表された経営方針は「一人一人が楽しい人生を送れる会社」。

 

そして

・ミッションとは「自分たちが得意なことでの他者貢献」。
・ビジョンとは「自分たちが将来ありたい姿」。
・ビジョナリープランとは「 自分たちのなりたい将来像に向けてどう取り組むか」。
・行動指針とは「仕事をする上での判断と行動の基準を習慣化するためのもの。また、 有事のときの心のよりどころ」。
・利益とは「仲間を守るためのもの」。
・人件費とは「幸せを求めて働く仲間の労働の対価」。

 

社長はじめ幹部社員の方々が、 

・会社が何を目指しているのか。
・どんな価値観でその実現に取り組むのか。

について、ご自身の言葉でわかりやすく説明されていました。


素晴らしい発表会でした。

 

今後、目指す姿の実現に向けて、進んでいかれるのを応援していたいと思っています。

 

有限会社アバン

 

(藤川百合子社長が創業時のエピソードを交えて、経営理念をご説明されているところです)

 

「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」がもたらした変化は

「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」

 

「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」を読んだのが5年前。

 

この本を読んで、

「そうだ、こんな風に社長のビジョン実現を応援し、見届け、

 自分もさらに成長していくような仕事がしたいんだ」

と思った。

 

そして、ビジョン実現を応援し、見届けるためには、

ずっとつき合いたいと思える相手と仕事したいと考えた。

 

どんな人のために仕事したいか。3つの要件を考えた。

 

1.自責な人
2.チャレンジングな人
3.社員を信じ、社員とともに成長しようとする人

 

自責な人とは、「誰々が何々してくれないから、できない」ではなく、

自分自身がその状況の中で、どう行動し、事態を打開していくか考えられる人。

 

チャレンジングな人とは、結果はわからないにせよ、まずは行動してみようと思える人。

 

そして、社員を信じ、社員とともに成長しようとする人でなければ、社員はついてこない。

社員を大事にする人と仕事したい。

そんなことを考えた。

 

この本を読んだことで、誰と仕事したいか。どんな風に仕事したいか。

自分の軸が定まった。

 

自分にとって大きな変化だったと思う。

 

キャッシュフローコーチと税理士はどう違うのか?

意思決定

 

キャッシュフローコーチは、会社のお金の流れを見える化して、経営者が納得の意思決定ができるように手助けする仕事をしています。

 

会社のお金の流れを扱うせいか、たまに

「税理士さんとどう違うの?」

「会計士さんと何が違うの?」

と聞かれることがあります。

 

キャッシュフローコーチと税理士・会計事務所との違いを表にまとめました。

 

  税理士・会計事務所 キャッシュフローコーチ
活動のフィールド  税務会計(正しい納税をするための会計)   管理会計(納得の経営判断をするための会計
主にやること 決算書・試算書の作成と節税対策 社長の意思決定の支援と社内コミュニケーションの円滑化
フォーカスする点 過去の数字(決算書を正確に作り、税務申告するために必要) 社長のビジョンと未来の数字(見通しを立てるために必要)
必要なスキル 正確さ。会計・税務の知識 相手から意見を引き出し、質問で論点を整理するコミュニケーション能力 
使う資料 決算書・試算表・月別損益計算書 お金のブロックパズル・キャッシュフロー計画表

 

まず、税理士さん・会計事務所さんは、正しい決算書を作成するのがお仕事です。

そのために必要な数字は、正確な実績値です。

 

キャッシュフローコーチは、社長が納得の経営判断をするための手助けをすることが仕事です。

そのために、わかりやすくお金の流れを見える化して、見通しを示します。

必要な数字は未来の数字です。

 

使う資料も違っています。

 

税理士さん・会計事務所さんが作成する資料は、損益計算書や貸借対照表です。

損益計算書には、利益情報が記載されています。貸借対照表には、キャッシュの情報が記載されています。

 

つまり、損益計算書と貸借対照表で、情報が分断されています。

そのため、会社のお金の流れの全体像をイメージすることが難しいのです。

 

キャッシュフローコーチが作成する資料は「キャッシュフロー計画表」(1シート★マネープラン)です。

 

「キャッシュフロー計画表」(1シート★マネープラン)は、利益情報とキャッシュ情報を一枚のシートで表現します。

そのため、お金の流れの全体像の把握がしやすくなっています。

 

さらに、計画値に月別の実績値を上書きすることで、利益とキャッシュの着地見通しがざっくり確認できるようになっています。

 

利益とキャッシュの着地見通しを確認しながら、経営できるので安心感があります。

また、全体のバランス(売上、粗利、人件費負担、利益、資金繰り、借入依存度など)を考えた意思決定がしやすいのです。

 

ただし、キャッシュフローコーチが作成する「キャッシュフロー計画表」(1シート★マネープラン)は、税理士さん・会計事務所さんに作成いただいた試算表をもとに作成しています。

 

どちらがいい、悪いではなく、役割の違いだと考えています。

 

正確な決算と税務申告用に作成した資料そのままで、経営判断をしようとするから、やりにくいのです。

 

経営上の意志決定のためには、その目的に合った資料を使うことが必要ですね。

 

 

 

ミッションを言語化する意味は? 

 

仕事で、経営者の方のミッション策定に関わらせていただく機会があります。

その中で感じたことがいくつかあります。

 

その1つ目は、ミッションとは「自分たちが得意なことでの他者貢献」であること。

 

幸福の定義を「幸福=他者貢献」とすると、ミッションは「人の役に立つことをする」こと。

なので、ミッションの追求は幸福につながる。 

モチベーションアップにつながる。

 

「天気の子」っていう新海誠監督のアニメ映画をご覧になりましたか?

 

この映画には、ひなちゃんという祈ることで、雨を晴れに変える力を持つ女の子が登場します。

天気が良くなって喜ぶ人たちの笑顔を見て、ひなちゃんは

「この仕事で自分の役割みたいなものがやっと分かった!」と喜ぶのです。

 

これがミッションの発見です。
ミッションとは自分の存在意義です。

 

気づいたことの2つ目は、ミッションとドメイン(=事業領域)はつながっているということ。

 

事業内容を具体的に表現するとドメインになる。

抽象度を上げて、想いを込めるとミッションになる。

 

気づいたことの3つ目は、ミッションは、目の前の仕事に意味を与えるということ。

 

先日、ある金融機関の支店長とお話していたときのこと。

その方がおっしゃるには

 

「書類作成を仕事と思っている職員がいる。
 そうではなく、地域の中小企業の資金供給することで、

 その企業が機械設備を買えたり、支払いができたり、取引拡大できる。
 それが私たちの仕事であることを伝えたい」

 

目の前の作業が何の意味を持つのか、誰に対するどんな価値貢献につながるか。
これを表す言葉がミッションです。

 

この言語化ができると、仕事が単なる作業ではなくなり、仕事の意味が見出せます。

 

気づいたことの4つ目は、ミッション策定に関わるのは楽しいということ。

ミッション策定に関わることは、その人の生き様や価値観にふれる機会。
だから楽しい。

ミッション策定に関わる仕事をさせていただいていることに感謝しています。

 

経営幹部のサブスクリプション

経営幹部のサブスクリプション

 

コンサルタントは嫌いだけど…
名刺交換のときに、ある経営者の方から言われた言葉です。

 

「コンサルタントが嫌い」とわざわざ言うには、嫌いになる相応の経験や理由があるのでしょう。

 

日本では、アメリカに比べて、コンサルティングサービスの活用がされていないのだそうです。

理由は、いくつかありそうです。


① コンサルティングが無形のサービスであるために、利用前には、活用イメージが湧きにくい。

 コンサルティングが何をしてくれるのかイメージできない。

 

② サービス精神旺盛なお国柄、かつ、モノづくりに価値を見出すお国柄ゆえ、サービスは、

 本体に付随してくるオマケのイメージ。お金を払って利用しようという意識が乏しい。

 

③ 過去にコンサルを依頼して、マイナスのイメージをもった。

④ コンサル=悪徳業者という固定概念がある。

⑤ 組織は自立し、自走すべきである。コンサルなど外部依存はよろしくないという考え方である。


他にも理由があるかもしれません。

 

そして、私の場合は、自分の仕事は、世間でいうところの、いわゆる「コンサル」ではなく、

経営幹部のサブスクリプション」ではないかと考えています。

 

なぜなら、特定のコンテンツを提供するわけではなく、また、解決策を指導するわけでもないから。

 

「経営幹部」を「サブスクリプション方式」で提供する一サービス事業者。

必要な期間、利用して、事業の発展に役立ててもらえばいい。そんなイメージです。

 

特に中小企業の場合、すべての人材を内部人材(=雇用)でまかなおうとすると、

かえって高コストにつく場合があります。

 

必要に応じて、外部人材を活用する方がコスト的にも有利なのではないかと考えています。

 

また、第三者であって、社内の指揮命令系統に組み込まれていないからこそ、言えることもあります。

社外の専門家の立場で伝えた方が、客観的な情報として、社員さんに伝わりやすいこともあります。

 

そう考えると、すべて自前主義ではなくてもいいのではないでしょうか。

知的資産経営とキャッシュフローコーチング

パートナー型コンサルタント

1.パートナー型コンサルタントとは

私のコンサルティングにおける考え方のバックボーン。

それは、知的資産経営と、キャッシュフローコーチングです。

 

実は、知的資産経営とキャッシュフローコーチングには共通点があります。

 

それは、どちらも、答えを教える「先生型コンサルティング」ではなく、

問いかけて、考えを引き出すスタイルのコンサルティングであることです。

 

問いかけて、考えを引き出すスタイルのコンサルティング。

 

日本キャッシュフローコーチ協会代表理事の和仁達也先生は、

このスタイルのコンサルタントのことを「パートナー型コンサルタント」

という言葉で説明しています。

 

「コンサルタントには、答えを教える『先生型』コンサルタントと、

問いかけて、考えを引き出す『パートナー型』コンサルタントがいる。

 

そして、自分のスタイルが『先生型』であるか、『パートナー型』であるか、

どちらであるかは、経営者になんと言われているかでわかる。

 

『勉強になりました』と言われたら、それは『先生型』スタイルで

接しているということ。

 

『頭がすっきりして考えが整理できました』とか

『ワクワクして、やる気が出ました』と言われたら、

『パートナー型』で接しているということ」とのことです。

 

2.「パートナー型」はコンサルティングのOS

「先生型」か「パートナー型」かは、ツールや手法以前のその人のあり方の問題です。

 

だから、場面によって使い分けたり、上手に切り替えることは難しくて、

パソコンのOS(オペレーティングソフト)みたいなモノではないかと考えています。

 

その同じOSの上で、知的資産経営もキャッシュフローコーチングも併存して動かせる。

そんなイメージです。


なお、キャッシュフローコーチングの考え方は、以下の通りです。

 

・お金はビジョン実現の手段である。まずは、長期的に何を目指すのか、

 経営者が実現を目指すビジョンを明確にする。

 

・そして、そのビジョンを実現するために、お金がまわり続ける経営

 =キャッシュフロー経営を行う。

 

 (そのためのツールの一つが「お金のブロックパズル」です)

 

・漠然としたお金の流れを見える化することで、お金の不安から解放されて、

 本業に専念できる状態を作る。


正解を教えるスタイルではなく、質問を投げかけながら、経営者の考えを引き出し、

経営者のビジョン実現に向かう道筋を一緒に考える点が、知的資産経営と共通しています。

 

そして、見えないモノを可視化することで、全体像の把握や考えの整理につなげる点も

共通です。

 

その見えないモノが知的資産経営の場合、「会社の独自の強み」です。

キャッシュフローコーチングの場合、「会社のお金の流れ」です。

 

3.見えないモノの可視化によって、考えを引き出す

経営者と関わるスタンスも同じ、目指すところも同じ、

見えないモノの可視化によって、考えを引き出す点も同じ。

 

そして、知的資産経営は定性的なアプローチ。

キャッシュフローコーチングは定量的なアプローチ。

どこから、アプローチするかの違いです。

 

知的資産経営とキャッシュフローコーチングの親和性を強く意識したのは

知的資産経営の師匠である、森下勉先生の出版記念パーティでのことでした。

 

森下先生のクライアントがスピーチでこう話されたのです。

 

「森下先生とお話していると、頭がすっきりと整理されます。

 そして、ワクワクしてやる気が出てくるのです!」

 

まさしく、和仁先生の定義する「パートナー型コンサルタント」です。

 

知的資産経営とキャッシュフローコーチングは親和性が高く、補完性があります

 

両方の良さをうまく活用できるように、相乗効果を引き出せるように

日々、模索しています。

 

 

ミッションとビジョンの違いは…?

ミッションとビジョン

「ミッションとビジョンの違いがよくわからない」
そんなご質問をいただくことがあります。

 

改めて、ミッションとビジョンの定義を考えてみました。

 

ミッションとは「自分たちが得意なことでの他者貢献

という定義ではどうでしょうか。


それに対して、ビジョンとは「未来に何を実現していくのか」。

 

だから、ミッションを追求した結果として

「他者貢献できている」という将来像もビジョンだし、

 

そのときに

「自分たちはこうなっている。こんな成果を得ている」

それもビジョンには含まれる。そんなイメージです。

 

これで違いが伝わるでしょうか。

 

そして今、もう一つ気づきました。

「幸福とは他者貢献である」

 

その前提に立つと、自分たちが得意なことで他者貢献できるというのは、

幸福そのものです。

 

だから、ミッションがモチベーションの源泉になるのかもしれません。

 

※ 一年半前に書いた、ビジョンとミッションの説明です。↓

 

ビジョンとは。ミッションとは。バリューとは。経営理念とは。わかりやすく解説

https://vision-cash.com/keiei/vision-mission-values/

金融機関が経営ワークショップを主催する意味とは

 

先週は、但陽信用金庫様主催の「知的資産経営ワークショップ」に

ファシリテーターの一人として参加させていただいていました。


知的資産経営」とは、自社の無形の強みに着目して、今後目指す経営ビジョンを明確化し、

明確化したビジョン実現の取り組みを実践するための経営手法です。


その場に別の信用金庫の方が見学に来られていて、ワークショップ終了後、

感想を聞かせていただきました。


その方が特に印象深かったこととして、上げられていたのは以下の2点です。


(1) 企業から経営者だけでなく、社員も含めて複数名が参加している。
(2) 営業担当者が、経営者・社員と対話しながら、ワークを進めている。

(「なかなかできないことだと思う」とのことでした)


その感想をお聞きしたことを交えて、

金融機関が経営ワークショップを主催する意味」を考えてみました。

 

以下の6点の意味があるのではないかと考えています。


① 取引先企業の事業内容についての理解が深まる。
② 取引先企業の経営者・社員との関係性・信頼性が深まる。
③ 取引先企業と対話しながら、一緒に考えることで、職員のスキルアップを図ることができる。
④ 取引先企業との対話によって、職員のモチベーションアップを図ることができる
⑤ 事業性理解や企業との対話の仕方などについてノウハウが蓄積できる。
⑥ 独自の取り組みをしている金融機関という意味で、ブランディングできる。


この中で、見学に来られていた方がもっとも強調されていたのは

職員のモチベーションアップ効果」です。


「お客様に『ありがとう』と言われ、お役に立てた!と思えることほど

 モチベーションが上がることはない」

 

確かにその通りです。


新たな目線での感想をいただいたことで、改めて、意味を考えてみる、

いい機会をいただきました。

 

金融庁「金融行政の方針」は、経営理念重視と心理的安全性の確保

金融庁に、どんなイメージを持っていますか?

2か月ほど前に「老後2,000万円」問題で、注目された一件を覚えておられる方も多いかもしれません。

 

その金融庁から、本日、「金融行政の方針」が発表されました。

 

「金融行政の方針」なんて、難しそう…。

それに、自分には関係なさそう…。そんなふうに思われたかもしれません。

 

ただ、今回の方針はなかなか画期的なのです。

 

たとえば、掲げている方針の一つが「金融庁の改革」。

しかもその内容が「金融庁が、職員にとってやりがいを感じ、自身の成長を実感できる職場となる」です。

 

「メンバーがやりがいを感じ、自身の成長を実感できる職場づくり」。

これは、どんな組織であっても共通する、普遍的な課題ですよね。

 

これだけでも金融庁が少し身近に感じられます。

 

さらには、金融庁が監督指導すべき相手、つまり金融機関に対して求めることの一つがなんと

明確な経営理念」と顧客の「経営理念の理解」です。

 

「金融行政のこれまでの実践と今後の方針(令和元事務年度)について
「金融行政のこれまでの実践と今後の方針(令和元事務年度)について
(出典:「金融行政のこれまでの実践と今後の方針(令和元事務年度)について」 重点施策の概要 p.14-15)

 

「理念なき経済は犯罪、経済なき理念は寝言」という言葉があります。


いかに稼ぐか(=経営戦略)以前に、何を目的に事業運営するか(=経営理念)をまずは明確にしなさい。

顧客の経営理念についても理解しなさい、ということです。

 

その上で、金融庁と金融機関の関係としては「心理的安全性の確保による闊達な議論の促進」を掲げています。

なかなか斬新なのではないでしょうか。


なお「心理的安全性」とは、メンバーが何か言ったときに、叱られない、責められない、馬鹿にされないと思える、

安心して発言できる場の雰囲気のことを言います。


何か発言したら、責められる、叱られる、馬鹿にされると思ったら、誰も何も言いたくなくなりますよね。
そんな組織で前向きな提案が出されたり、建設的な議論ができるかというと、なかなか難しいでしょう。


心理的安全性は、組織が成果を出すための前提条件です。


日本キャッシュフローコーチ協会ではこれを「安心・安全・ポジティブな場づくり」、略して「AAP」と言っています。


自社は果たして、AAPな組織なのか。
もっとAAPにするためにはどんなことができるのか。


「金融行政の方針」をきっかけに自社についても考えてみてはいかがでしょうか。

「金融行政のこれまでの実践と今後の方針(令和元事務年度)について」重点施策の概要
https://www.fsa.go.jp/news/r1/190828_overview_the_policy_agenda.pdf

見積で損をする・・・?

 

先日、ある企業で「会社のお金の流れを知ろう!- 節約以外に貯金を増やす働き方とは?」というテーマで、社員研修を実施しました。

そのときに参加されていた社員さんから、こんな質問をいただきました。

 

「見積作成についての質問です。

 利益率を50%にしたいときに、原価の1.5倍を見積金額にするのではダメだと言われました。

 原価の金額を0.5で割るのだそうです。

 なぜそうなるのか、いくら考えてもよくわかりません。

 なぜなんでしょうか?」

 

というご質問でした。

 このご質問をお聞きして、思い出したことがあります。

 

数年前に、ある工務店さんの相談対応をしたときのことです。

社長の悩みは、思っていた利益確保ができないとのことでした。

 

いろいろお話を伺いましたが、施工時に工期が予定より長くなっているわけでもないそうです。

また、見積よりも材料を使い過ぎているということもないそうです。

 

「見積金額が安すぎるということはないでしょうか?」

とお尋ねすると

 

「必ず3割以上の利益を取るようにしている。

 でも、気がついたら、3割取れていない。

 なぜなのか、わからない」

とのお答えでした。

 

そこで、具体的にどんな手順で見積されているのかをお尋ねしたところ、

「原価が100なら、30の利益をのせて見積を書いている」

 

それを伺って、ピンと来ました。

 「それだったら、利益率30%にはならないですよね…」

 

社長は、納得されていないご様子。そこで、

 

利益30÷(原価100+利益30)=23%

 

と一緒に電卓を叩いてみて、念のため、決算書を確認したところ、売上総利益率がちょうど23%でした。

見積金額の手順に誤りがあったために、利益が残っていないことがわかりました。

 

確かに、直感的には、利益を30のせたらいいような気がしますよね。

実際には、30%の利益を確保するには、原価を原価率で割らないと見積金額の算出ができません。

 

原価100÷(100%-利益率30%)=見積金額143

利益43÷見積金額143=30%

 

上記の計算が正解です。

 

研修の社員さんの場合は、利益率を50%にされたいというお話でした。

こちらも直感的には、利益50をのせるので、原価の1.5倍にすればいいようにも思えますが、その計算では、利益率が33%になってしまいます。

 

原価100×1.5倍=見積金額150

利益50÷見積金額150×100=33%

 

原価を原価率50%(=0.5)で割ることで、利益率50%となる見積金額が算出できます。

 

原価100÷原価率50%=見積金額200

利益100÷見積金額200×100=50%

 

こういう計算を間違えないようにするには、ちょっとしたコツがあります。

それは、図を描いてみることです。 

見積で損をする

直感で正しそうであっても、図を描いてみて、本当にそうか確認して、見積で損をしないように気をつけたいですね。

中小企業診断士の試験のときに、損益分岐点売上を求める計算式を

 

固定費÷(1-変動費率)

 

と説明されて、さっぱり腑に落ちなかったけれど、これも同じ話です。

図にすると、なぜなのか一目瞭然です。

 

損益分岐点売上高

 

図で理解しておくと、ややこしい計算式を覚える必要もなくなりますね。

借入金は長く借りる方がいい?

借入金の月々の返済で資金繰りが厳しい

 

借入されていますか?
借入の期間をどのように決めていますか?

 

以前に、ある会社が借入されたいとのことで、金融機関をご紹介したことがありました。

その会社はつなぎ資金の借入をご希望だったのですが、金融機関側からの提案は長期資金でした。

 

理由は「稟議書を書く手間は短期も長期も変わらないので、できれば長期で借りてください」とのこと。

完全に金融機関側の都合ですよね…。

 

長く借りる方が借り手にとっても有利という考え方もあります。

 

借入時には、借入金額や金利、返済期日、返済回数などを取り決めます。

取り決めた返済期限以前に返済を要求されることはありません。(これを「期限の利益」といいます)

 

企業経営においては必ずしもすべてが計画通りにいくわけではなく不測の事態も起こり得ます。

ところが、資金不足がわかったときにタイミングよく借入ができるとは限りません。

 

だから、長く借りておく方が資金が安定するというのが長期で借りる派の意見です。

 

金融庁は今、逆の立場を取っているようです。

 

どういうことかというと、

1年以内の短期の借入では、返済期限までは返済不要です。(手形貸付などです)

反対に1年を超える長期の借入の場合は、毎月の返済が必要になります。 (証書貸付という融資方法です)

 

仕入などの運転資金の場合、事業を続ける以上、資金が不要になることはありません。

それなのに、月々返済していたのでは返済負担で逆に資金繰りが厳しくなってしまう。

 

なので、運転資金の場合は、月々の返済が不要な短期資金で貸し出しし、

返済期日には企業の状況を確認した上で新たに短期資金を貸し出す方が本業支援につながるという考え方です。

 

問題は、そのように自社の事業内容を理解し、資金支援をしてくれる金融機関を見つけられるかどうかですね。

 

かつてない低金利ですが、金利のみにとらわれるのではなく、

自社を理解し、支援してくれる金融機関を選ぶという発想も必要ですね。

「教える」という行為の意味は?

 

先日、大阪府中小企業診断協会で「セミナー講師養成講座 6日間完全マスターコース」という講座のうちの1日の講師を担当しました。

そこでお伝えしたことの一つが「教える」という行為の意味です。

 

こんな経験はありませんか?

 

社員や部下に教えたことが全然、相手に伝わっていなくて、あるいは相手が覚えていなくて、腹立たしく思ったことが。

 

これは実は当たり前の話です。

 

「学習のピラミッド」という理論があります。

これは、より能動的な学び方の方が学びが定着するという理論です。

 

もっとも学びが定着しないのが「講義を聞く」ことで定着度はわずか5%。
もっとも学びが定着するのが「他者に学んだことを教える」ことで、定着度は90%です。

 

教えた自分は覚えているのに、相手は覚えていないというのは、人間の心理通りのもっともな話なのです。

 

ではどうするか?

 

相手に教えさせればいいのです。

学んだことを発表させると最初から伝えておく。

 

そうすると聞くときの真剣味も増すでしょう。

では、この理論をどう活用するか?


たとえば、マニュアル作成に活用できます。

後輩や部下には口頭で教え、後輩や部下にメモさせて、マニュアルを作ってもらい、内容を発表させるのです。

 

マニュアル作成と教育が同時にできます。

作成したマニュアル内容を発表してもらうことで、相手の理解度の確認もできます。

 

上司や先輩は通常、さまざまな業務で忙しいものです。

忙しいあなたがマニュアルを作成する必要はないのです。

 

また、教えるというのは、「自己有能感を満たす」行為でもあります。

自己有能感は、自己重要感、自己好感とともに「自尊心の3大欲求」の一つです。

 

平たくいうと、教えて喜ばれることで、自分は役に立つと感じられ、自尊心が満たされるということです。

 

教える機会を用意することで、後輩や部下のモチベーションアップの機会にすることもできます。

 

逆に、自分が教えるときは、「自己有能感を満たしたい」がための教え方になっていないか。
相手のレベル感を考えずに、自分の知っていることを何でも伝えてしまっていないか。

客観視することも必要ですね。

 

社員の理解度が低い?

 

社員に何かを伝えたときに理解度が低いと感じることはありますか?

 

先日、ある会社で、お金のブロックパズルを使っての社員研修をさせていただきました。

基礎知識から活用までを含めた一日6時間のコース。受講くださったのは、20~30代の若手社員の方々です。

 

研修ポイントは以下の3点。

 

1. 会社のお金の流れを知ることで、自分の仕事の仕方によって、会社の利益が増減することを知る。
2. 経営数字を使って、業務上の判断を行う方法を学ぶ。
3. 会社の利益を増やすには、どのような着眼点があるか。具体的にどのような方法があるかを学ぶ。

 

研修のゴールは、会社の利益を増やすために考え、行動できる社員になることです。

 

研修後、参加された社員さんに感想をお聞きしたところ

・自分の給与がどこから出ているかがわかった。
・仕事を通して得てきた断片的な知識が整理されて、全体像が理解できた。
・会社の利益を増やすために自分が何をすればいいかがわかった。

 

など意欲的に受講していただいたことがうかがえる言葉が返ってきました。

 

社員さんたちの研修の感想をお聞きして、再確認できたことの一つ。

それは、社員さんたちにとって、理解しやすく、腑に落ちやすいように物事を伝えるためのポイントです。

 

具体的には

・やり方だけでなく、やる意味も同時に伝えること。
・経営ビジョンと数字と日々の業務のつながりがイメージできるように伝えること。

の2点です。

 

社員さんに物事を伝えても理解度が低い…と感じる場合には

 

・やる意味も同時に伝えているか。
・経営ビジョンと日々の業務とのつながりを伝えているか。

について確認してみてください。

 

今よりもさらに社員さんの理解度が上がるはずです。

 

小さな約束を守る

お客様に叱られたことはありますか?

 

私は以前、顧客に定期訪問したときに、その会社の社長に
「今月の請求書来ていないよ」
と言われたことがあります。

 

「叱られた…」というほどの話ではないかもしれませんが、私はその言葉を
「あ、叱られたんだな」と受けとめました。

 

きっと私の方には、請求書発行が遅れて困るのは自分の方であって、お客様ではないという自分勝手な理屈や甘えがあったのだと思います。でも、先方には期日通りに請求書が届かず、支払処理ができないというご迷惑をおかけしていたようです。

 

そのときに「同じことを二度言われないようにしよう」と思い、それ以来、請求書を毎月同日に発行するようにしています。

 

本当に些細なことではあります。ただ、大きな約束は誰でも守ります。

 

でも、ちょっとした約束、些細な約束については必ずしも守っていないということも多いのではないでしょうか。

 

たとえば、約束の時間にほんのちょっと遅れるとか。
「何日に送ります」という期日に少しだけ遅れるとか。
借りた小銭を返すのをついつい忘れるとか。(笑)

 

また、お客様との約束は守るけど、立場が下の人との約束、それもちょっとした約束については必ずしも守っていないということもあるのではないでしょうか?

 

小さな約束を守ること。大事にしたいと思っています。

 

 

「1アクション3ゴール」の3つの利点とは

 

私の所属する日本キャッシュフローコーチ協会では、いくつかの考え方や価値観が共有されています。

その一つに「1アクション3ゴール」があります。

 

これが何かというと、何か1つのことをするときに種類の異なる複数のゴール設定をしておくという考え方です。

 

そして、これをすると、何がいいかというと、1つのことをするだけで、複数(たとえば3つなど)のゴールを達成できるということです。

 

さらに実践してみて気づいた利点が2つあります。

 

1つ目は、「仕方なくする」という受け身の姿勢がなくなるということです。行動の前には必ずゴール設定をするので、なんとなく、仕方なく、といった受け身の姿勢がなくなります。

 

いつも前向きな姿勢で物事に取り組めるようになります。

 

2つ目は、さまざまな角度から考える習慣が身につき、物事を多面的に見られるようになります。種類の異なる複数のゴール設定をするには、さまざまな角度から物事を考える必要があります。

 

必然的に複数の視点で、物事を捉える習慣が身につきます

 

「1アクション3ゴール」、ぜひ試してみてください。

 

1アクション3ゴール

経営者保証ガイドラインとは?

 

経営者のみなさん。借入について個人保証をされていますか?

先日、「経営者保証ガイドライン」についてのセミナーに参加しました。

 

「経営者保証ガイドライン」とは、会社のお金と社長のお金がきっちり区分されているような場合には、経営者の個人保証を不要にすることなどを取り決めたものです。

 

そのセミナーで聞いて、びっくりしたのが、企業アンケート結果の以下の数字です。

「経営者保証ガイドラインが始まった後に個人保証を提供したことがありますか?」との問いに対して

 

 ある 37.7% ・ ない 62.3%

 

だったというのです。

 

個人保証を提供したことがない企業が6割にまでなっているんですね。

このガイドラインでは、以下の場合には、金融機関は経営者保証を求めないことを検討できるとしています。

 

① 法人と経営者の資産・経理が明確に分離されていること

 

【具体例】
・法人の事業活動に必要な本社・工場・営業車などの資産については、法人所有とする。
・資産の明確な区分が困難な場合は、法人が経営者に適切な賃借料を支払う。

 

② 法人と経営者の間の資金のやりとりが、社会通念上適切な範囲を超えないこと

 

【具体例】
・事業上の必要が認められない法人から経営者への貸付は行わない。
・個人として消費した飲食代などの費用を法人の経費処理とはしない。

 

③ 法人のみの資産・収益力で借入返済が可能と判断しうること

 

【具体例】
・業績が堅調で十分な利益とキャッシュフローを確保しており、内部留保も十分である。
・業況が下振れするリスクを勘案しても、内部留保が潤沢で、借入金全額の返済が可能と判断できる。
・好業績が相応の合理性をもって維持可能と判断でき、今後も借入を順調に返済できるだけの利益とキャッシュフローを確保できる可能性が高い。

 

④ 法人から適時適切な財務情報等が提供されていること

 

【具体例】
・法人事業概況説明書、別表、科目明細書を含む決算書類が的確に開示されている。
・資金繰表、試算表、資金調達確認資料等、金融機関の求めに応じて適時的確に提出されている。

 

⑤ 経営者等から十分な物的担保の提供があること

 

 

金融機関には、新規融資時や既存保証の契約更改時に、経営者保証ガイドラインを説明し、適用を求めるかどうかを確認する、ガイドライン上の義務があります。

 

個人保証を負担に感じている場合には、取引先の金融機関に個人保証を外せないかどうか、一度、相談されてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

成果を上げるチームの共通点とは

 

毎日のように「働き方改革」や「労働生産性」というキーワードを新聞などで目にします。残業規制も検討されているようです。残業を抑制しながら、どうやって売上を上げていけばいいのか、頭を悩ませている企業も多いことでしょう。

 

インターネット検索で有名なアメリカのグーグルという会社は、日本よりも早く、2012年に「生産性向上」のテーマに取り組みました。

 

グーグル社では、業務ごとにチームがあり、チームによって業績が異なりました。成果を上げているチームは成果を上げつづけ、成果を出せないチームは成果を出せないままでした。

 

その差は何によって生じているのでしょうか?グーグル社は成果を上げたチームに共通する特徴を分析しました。

 

その結果、わかったことは、生産性の高いチームに共通する要素とは、チームワークでも行動基準でもなく、なんと「心理的安全性」だったのです。

 

心理的安全性」とは、非難されたり批判されたりせずに発言や行動ができると個々人が感じられる状態を言います。

 

成果を上げているチームでは、メンバーの間に配慮や共感があり、「心理的安全性」が確保されていました。それによって、各メンバーは躊躇せずに質問や新しいアイデアの提案ができ、それがチームの成果を生み出していたのです。

 

チームの「心理的安全性」を確保するには、メンバー全員の関わりが必要ですが、まず重要なのは、リーダーのあり方です。

 

さて、最近、そのリーダーのあり方についての本を読みましたので、ご紹介します。

 

困った部下が最高の戦力に化ける すごい共感マネジメント - 売上を伸ばしているリーダーが実践している最強チームの作り方」(中田 仁之著)という本です。

 

この本によると、「真のチーム=強い組織」になるために、リーダーがとるべき姿勢と手順とは以下の5つだそうです。

1. 感謝を伝える

大切な人にきちんと言葉で感謝を伝えること。

 

2. 可能性を信じる

大切な人の可能性を最後まで信じ、相手の自信をあなたが育ててあげること。

 

3. 誤った行為を叱る

叱る時は人格を否定せず、誤った行いを短い言葉で叱ること。

 

4. 感情を共有する

恥ずかしがらず、喜怒哀楽を一緒に表現すること。

 

5. チーム心を養う

チームのためには自分には何ができるのか? を全員が自問自答できる雰囲気を作ること。

 

感謝を伝える、可能性を信じることは、心理的安全性の確保にもつながりますね。

 

困った部下が最高の戦力に化ける すごい共感マネジメント - 売上を伸ばしているリーダーが実践している最強チームの作り方」(中田 仁之著)

 

<目次>

序章

真のリーダーを目指すあなたへ

人を育てるということ

強い組織を作る共感力

 

STEP 0 強い組織を作るリーダーとしての心構え

STEP 1 感謝を伝える

STEP 2 可能性を信じる

STEP 3 誤った行為を叱る

STEP 4 感情を共有する

STEP 5 チーム心を養う

なぜ知的資産経営が業績向上につながるのか

 

企業が成長し、業績を向上させていくためには、自社の強みを活かした経営戦略・事業計画が必要です。

経営戦略・事業計画の立て方にはいろいろな手法がありますが、その中でも「知的資産経営」は有効な経営戦略立案手法です。

 

「知的資産」と聞くと、知的財産権を連想されるかもしれませんが、「知的資産」は知的財産ではなく、自社の独自の強みのことを言います。知的資産経営とは、自社の独自の強みを活かす経営の手法です。

 

この知的資産経営があまり多くの方に知られていないことを、私はとてももったいないことだと感じています。というのは、これまで「知的資産経営」に取り組んだ企業が「取り組んでよかった」と喜んでおられるからです。

 

経営者の方からは
・ウチの会社のことが改めて整理できた。
・今後の方向性ややるべきことが明確になった。
といった感想をお聞きしています。

 

社員の方々からは
・会社の良さが改めてわかった。
・今まで気づいていなかったことが理解できた。
・会社が目指していることがわかって一緒にがんばろうという気になれた。
といった感想をお聞きしています。

 

知的資産経営は、取り組んだらすぐに売上が上がるかというと、そういう即効的なテクニックではありません。
ですけれども、継続して取り組むことでいろんな効果があり、会社がだんだんよくなってくる、漢方薬のような経営手法です。

 

ですので、できるだけ多くの企業に知っていただいて、企業成長や業績向上のヒントを見つけていただきたいと考えて、以下のサイトで詳しく紹介しています。

ものづくり補助金のこれまでの経緯まとめ

来年度の「ものづくり補助金」はどうなるか?

8月31日に経済産業省から「平成29年度経済産業政策の重点、概算要求・税制改正要望について」が発表されました。

 

その中の「平成29年度 中小企業関係概算要求等の概要」に”革新的ものづくり・商業・サービス開発の際の設備導入を補助”という文言があります。

 

来年も「ものづくり補助金」が実施される可能性は高いようです。来年度、この補助金の活用を考えるに際して、ものづくり補助金のこれまでの経緯を少しまとめてみました。


ものづくり補助金とは

革新的なサービス開発、試作品開発、生産プロセス改善などに取り組む中小企業の設備投資などに対する補助金です。

●補助率2/3

●実施期間内に実施した事業に対して、領収書などの証拠書類をもとに補助金の支払いが行われる。(後払い)

即効性のある景気活性化策として、2013年度以降、補正予算で実施されています。  

● 2013年度

平成24年度補正「ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金」が公募されました。補助上限額 1,000万円、10,516社の企業が採択されました。採択率43.9%でした。この時は設備投資なしの試作品開発も可能な補助金でした。

 

平成24年度補正 「ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金」(予算額1,007億円)

  公募開始日 公募締切日 申請数 採択数 採択率 採択結果発表日 交付申請提出期限 事業完了期限
1次公募(1次締切) 2013/3/15 2013/3/25 1,836 742 40.4% 2013/4/30  2013/6/14  2014/5/31
1次公募(2次締切) 2013/3/15 2013/4/15 10,209 4,162 40.8% 2013/5/31 2013/8/7 2014/5/31
2次公募 2013/6/10 2013/7/10 11,926 5,612 47.1% 2016/8/30 2013/10/25 2014/8/15
合計 23,971 10,516 43.9%      

● 2014年度

平成25年度補正「中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新補助金」という名称に変更になり、「ものづくり技術」の他に「革新的サービス」という類型が新設され、製造業だけでなく、サービス業や卸・小売業なども申請できる補助金になりました。

 

「ものづくり技術」、「革新的サービス」のそれぞれに成長分野型、一般型、小規模事業者型のコースが設けられ、補助上限額は、成長分野型 1,500万円、一般型 1,000万円、小規模事業者型 700万円でした。

 

成長分野型と一般型では、設備投資が必須となり、設備投資による景気促進策としての位置づけが強化されました。 また、安倍首相の要請として、賃上げを実施している(または計画している)企業に加点措置が取られるようになり、国の施策との整合性が強調されるようになりました。

 

14,431社の企業が採択され、採択率39.1%でした。

 

平成25年度補正 「中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新補助金」(予算額1,400億円)

  公募開始日 公募締切日 申請数 採択数 採択率 採択結果発表日 交付申請提出期限 事業完了期限
1次公募(1次締切) 2014/2/17 2014/3/14 7,396 2,916 39.4% 2014/4/28  2014/6/30 2015/4/30
1次公募(2次締切) 2014/2/17 2014/5/14 15,019 6,697 44.6% 2014/6/27 2014/8/29 2015/6/30
2次公募 2014/7/1 2014/8/11 14,502 4,818 33.2% 2014/9/29  2014/11/28 2015/9/30
合計 36,917 14,431 39.1%      

● 2015年度

平成26年度補正 「ものづくり・商業・サービス革新補助金」という名称になりました。

 

「ものづくり技術」、「革新的サービス」、「共同設備投資」の3類型となり、「革新的サービス」はさらにその中で、一般型、コンパクト型と分けられ、コンパクト型のみ設備投資不可、後の類型はすべて設備投資必須でした。

 

補助上限額は、「ものづくり技術」1,000万円、「革新的サービス(一般型)」1,000万円、「革新的サービス(コンパクト型)」500万円、「共同設備投資」5,000万円。

 

1次公募の1次締切は廃止されました。13,134社の企業が採択され、採択率43.1%でした。

 

平成26年度補正 「ものづくり・商業・サービス革新補助金」(予算額1,020億円)

  公募開始日 公募締切日 申請数 採択数 採択率 採択結果発表日 交付申請提出期限 事業完了期限
1次公募 2015/2/13 2015/5/8 17,128 7,253 42.3% 2015/6/19 2015/8/31 2016/6/30
2次公募 2015/6/25 2015/8/5 13,350 5,881 44.1% 2015/9/30  2015/11/27 2016/9/15
合計 30,478 13,134 43.1%      

● 2016年度

平成26年度補正 「ものづくり・商業・サービス革新補助金」という名称になりました。

 

補助上限額は、一般型 1,000万円、小規模型 500万円、高度生産性向上型(IoTを用いた設備投資、または、最新モデルを用いた設備投資)3,000万円。すべて、設備投資が必要になりました。設備投資前提の補助金になったせいか、これまで約1年間であった事業期間が約半年に短縮化されました。

 

また、小規模事業者が「小規模型」を申請したときに加点措置が取られるようになりました。

 

年初には公募は一回のみとのアナウンスでしたが、予算が若干残ったとのことで、2次公募が実施されました(高度生産性向上型除く)。2次公募では、経営力向上計画認定事業者への加点措置が追加されました。

 

平成27年度補正 「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」(予算額1,020.5億円)

  公募開始日 公募締切日 申請数 採択数 採択率 採択結果発表日 交付申請提出期限 事業完了期限
1次公募 2016/2/13 2016/4/13 24,011 7,729 32.2% 2015/6/19 2016/6/30 2016/12/31
2次公募  2016/7/8  2016/8/24           2016/12/31
合計             

では、平成29年度、どうなるかですが、「革新的ものづくり・商業・サービス開発の際の設備導入を補助」という文言から考えると
●「ものづくり技術」「革新的サービス」の2つの類型はそのまま
● 設備投資必須
ということはいえそうです。

 

また、平成28年度の2次募集で追加された、経営力向上計画認定事業者への加点措置も継続になる可能性が高いでしょう。

 

現時点では、まだ、どのような内容かはわかりませんが、ものづくり補助金の申請を考えている場合は、まずは、経営力向上計画の認定を取っておいた方がよさそうです。

 

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起こりうる不確実な将来に対して、主体的な行動を促す ー シナリオプランニング

 

仕事で取り組んでいるテーマの一つに、知的資産経営という経営手法があります。

 

知的資産とは、企業(組織)が経験を通じて独自に獲得したノウハウなどの無形の資産(独自の強み)です。企業(組織)が自社の知的資産を自覚的に活用・強化することで、経営品質を向上させるというのが知的資産経営の基本的な考え方です。

 

ところが、企業(組織)を取り巻く環境は必ず変化していきます。今の強みが将来にわたって、ずっと強みであり続けるとは限りません。模倣されて陳腐化する可能性もありますし、技術革新や業界構造の変化によって、強みが無効化されてしまう可能性もあります。

 

知的資産経営では、過去から現在にかけて、自社の知的資産が顧客から選ばれることにどのように作用してきたか(価値連鎖)をまず明らかにし、次に将来の環境変化を考えて、将来的にはどのように価値創造していきたいか、そのためにはどのように知的資産を活用、強化、育成、獲得していくかを考えます。

 

この知的資産経営のフレームワークは非常に汎用性が高く、企業の業種、規模を問わず活用できるものです。

 

私の場合、仕事のテーマが知的資産経営ずばりの時だけでなく、ビジョン策定であっても、事業計画策定であっても、ISO9001構築であっても、マーケティング戦略であっても、知的資産の視点を必ず入れるようにしています。

 

さて、その知的資産経営で、将来の環境変化を考えるフェーズがあります。

 

  

企業に知的資産経営を導入する場合、最初の自社の知的資産を洗い出すフェーズは、自社のことなので、考えていただきやすいのですが、外部環境変化分析はふだんあまり意識したことがないという方も多く、スムーズに進まないことが多いです。

 

多くの場合、すでに顕在化している環境変化の洗い出しに留まり、事後対応的な対策立案になりがちです。(それでも、明示的にそのような分析をされていなかった企業にとっては、十分に有用なフェーズになりうるのですが…)

 

この外部環境分析のフェーズで使える、もっといいやり方があれば…と考えていたところ、「シナリオプランニング」という手法に出会い、最近は、外部環境分析に「シナリオプランニング」の視点を取り入れています。

 

シナリオプランニング」が有用だと感じる点は、”将来の不確実性に焦点を当てる”点です。 それまで行っていた外部環境分析では、発生確率と影響度のマトリクスで整理するか、緊急度と影響度のマトリクスで整理するパターンがほとんどでした。

 

その方法では、発生確率が低い事象や緊急度が低い事象については、対策が後回しにされがちで、発生事象対応型の対策になりがちであったように思います。

 

シナリオプランニング」では将来の不確実性に焦点を当てて考えますので、結果的に、”起こりうる不確実な将来に対して、主体的な行動を促す”ツールとなりうる点が特に有用と感じています。

 

現在、ある組織の「10年後を見据えた事業計画策定」という仕事のテーマがあり、この「シナリオプランニング」の考え方を全面的に取り入れて、進めています。

 

参加メンバーからは

取り組むうちに、将来どうなるかという予測の問題ではなく、自分たちが将来どうしていきたいかという主体的な問題であることに気づいた」

「どのような将来であっても必ず取り組みが必要な課題が見えた」

 

などのご意見をいただいており、長期的な計画立案が必要な組織にとっては有効な方法論であると改めて感じています。

 

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経営力向上計画(製造業指針)

2016年7月1日から、中小企業等経営強化法にもとづく「経営力向上計画」の認定が開始されています。「経営力向上計画」については、事業分野別に指針が発表されています。

 

7月7日時点で発表されている事業分野別指針は、製造業、卸・小売業、外食・中食、旅館業、医療、保育、介護、障害福祉、貨物自動車運送業、船舶、自動車整備の11種類です。このうち、製造業の指針の内容を整理してみました。

 

1 計画期間

 3年~5年間とする。

2 経営指標

イ.労働生産性 ロ.売上高経常利益率 ハ.付加価値額

各経営指標の目標値としては、以下が定められています。

経営指標 3年間の計画の場合 4年間の計画の場合 5年間の計画の場合
イ.労働生産性 3年後までの目標伸び率が1%以上 4年後までの目標伸び率が1.5%以上 5年後までの目標伸び率が2%以上
ロ.売上高経常利益率 3年後までの目標伸び率が3%以上 4年後までの目標伸び率が   4%以上 5年後までの目標伸び率が5%以上
ハ.付加価値額 3年後までの目標伸び率が1%以上 4年後までの目標伸び率が1.5%以上 5年後までの目標伸び率が2%以上
  • 労働生産性=(営業利益+人件費+減価償却費)÷ 労働者数
    または
    労働生産性=(営業利益+人件費+減価償却費)÷(労働者数×一人当たり年間就業時間)
  • 経常利益=営業利益ー資金調達に係る営業外の費用(支払利息、新株発行費等)
    (有価証券売却益、賃料収入等など、本業と関連性の低い営業外の収益は含まない)
  • 付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費
製造業における課題としては、以下の3点が上げられています。
  1. 製品及び製造工程に関する課題
  2. 標準化、知的財産権等に関する課題
  3. 営業活動に関する課題

課題認識を受けての経営力向上の内容に関する具体的事項は、下表のとおりです。(企業規模に応じて実施することが求められています)

項目  具体的事項 目的 必要な取り組み事項 考慮すべき事項

従業員等に関する事項

(1)多能工化及び機械の多台持ちの推進

 

製品一単位を製造するために必要な設備費及び人件費の低減

 

多能工化及び機械の多台持ちを目的として、従業員等に必要な教育を行う  製造ラインの機器や附属センサーからデータを取得し、分析、活用することで稼働状況等を把握

(2)継続的な改善提案の奨励

製品一単位を製造するために必要な設備費及び人件費の継続的な低減 従業員等から製品の製造工程に係る改善提案を受けつける   
 ロ
製品及び製造工程に関する事項
(1)実際原価の把握とこれを踏まえた値付けの実行 製品ごとの利益の確実な獲得 製品ごとに実際原価を把握し、値付けに反映する  
(2)製品の設計、開発、製造及び販売の各工程を通じた費用の管理 製品ごとの利益を確実に獲得  製品ごとに、製造、設計、開発、販売その他の工程における収支計画を作成し、設計及び開発段階での過剰な資本投下、販売工程における過剰な値引等を抑制  

標準化、知的財産権等に関する事項
(1)異なる製品間の部品や原材料等の共通化 部品、原材料等の一単位当たりの費用の低減 各製品を構成する部品、原材料等の素材、長さ、幅等を精査し、類似の部品については共通化して、部品、原材料等の種類を絞り込みを行う  
(2)暗黙知の形式知化 製品一単位を製造するために必要な費用を低減 暗黙知を有する従業員から暗黙知となっている工程設計に関する技能・知見を聴き取り(または自らが文章等に整理)することで、工程設計に関する技能・知見を業務標準として形式知化し、他の従業員に共有する  
(3)知的財産権等の保護の強化   取引先等との秘密保持契約、特許の活用、自社の強みとなる技術、技能及び知見の性質に応じた防衛策を講じる  

営業活動に関する事項
(1)営業活動から得られた顧客の要望等の製品企画、設計、開発等への反映 製品の販売価格の向上及び販売量の増加 新たな製品の開発や既存の製品の改良に当たっては、自社の強みとなる技術を基礎として、営業活動から得られた顧客の要望、販売後の製品の使用状況に関するデータその他の情報を踏まえ、顧客にとってより付加価値の高い製品とする IoT、ビッグデータ、AI等の新たな技術を用いて、販売後の製品の使用状況に関するデータを取得することで、
・製品の最適な使用方法の提案
・機器の故障可能性を予測した適切な部品交換時期の提案
・その他のサービス提供
(2)海外の顧客に対応できる営業・販売体制の構築 展示会における商機を着実に商談につなげ成約する 英語その他の外国語を用いたウェブサイトの開設、英語その他の外国語を用いた電話受付の体制の整備、海外への配送体制の構築等を行う  
(3)他の事業者と連携した製造体制の構築による受注機会の増大 受注機会の増大・機器、設備等の繁閑差の平準化により、当該機器、設備等の稼働率の向上 高度な加工を行うことができる設備、試験設備等の複数の事業者による共同での導入、設計、開発、製造等の各種の工程に係る情報の事業者間での共有その他の他の事業者と連携した製造体制を構築し、自社だけでは対応できない顧客の要望に対応  

設備投資並びにロボット及びITの導入等に関する事項
(1)設備投資 製造工程の自動化、加工精度の向上、リードタイムの短縮、多能工化及び多台持ちの推進並びに部品及び原材料の共通化等 高度な加工等を行うことができる設備や3次元データによる設計、図面の作成及び製造を可能とするソフトウェアその他のデジタル設計ツールへの投資  
(2)ロボットの導入または増設  労働投入量の低減、または製品及びサービスの量・質の向上 人が行う業務の代替・支援、または既存設備を代替する等のためのロボットを導し、または増設する  
(3)ITの導入等 業務全体に係る費用の低減。または製品及びこれに付随したサービスの付加価値向上 受発注、販売、製造、顧客、勤怠または会計に係る業務の標準化。製造、営業または販売に係る暗黙知の形式知化を目的としたソフトウェアの導入、機器若しくは当該機器に附属するセンサーから得られるデータの活用又は当該データを活用するための人材の育成のための投資を行う。 不正なアクセス等による情報漏洩対策等を講じる
(4)設備投資等が製品の品質及び製品1単位当たりの製造費用に大きな影響を及ぼす分野に関する留意事項     最新の技術、競合企業の設備導入状況等を踏まえつつ、積極的に行う

省エネルギーの推進に関する事項
  コスト削減及び生産性向上の観点からエネルギー効率を高める エネルギー使用量の把握、設備の稼働時間の調整及び最適な管理の実施、省エネルギー設備の導入、エネルギー管理体制の構築等を省エネルギー診断の活用等  

企業規模については、下表をご参照ください。

規模 経営力向上の内容に関する具体的事項
 小規模(常時使用する従業員の数が20人未満)  イ(1)からニ(3)までに掲げる事項のうち1項目以上
注) 右記に加え、ホ(1)からヘまでに掲げる事項のうち1項目以上にも取り組むことを推奨する。
中規模(常時使用する従業員の数が20人以上300人未満) イ(1)からニ(3)までに掲げる事項のうち2項目以上
ホ(1)からヘまでに掲げる事項のうち1項目以上
合計3項目以上
中堅(常時使用する従業員の数が300人以上2000人以下) イ(1)からニ(3)までに掲げる事項のうち3項目以上
ホ(1)からヘまでに掲げる事項のうち2項目以上
合計5項目以上

経営力向上計画とは

国の施策を活用しよう

経営力向上計画

2016年7月1日に「中小企業等経営強化法」が施行されました。この法に基づく「経営力向上計画」の認定を受けると、固定資産税が3年間半額になります。

 

認定後の支援策は、当面は、固定資産税の減免措置がメインのようですが、今後拡充される可能性もあります。

 

「経営力向上計画」は、「経営革新計画」よりも作成がはるかに容易です。

 

今まで国の施策を活用していなかった企業にも取り組みやすい制度であると言えます。

 

 


中小企業等経営強化法

中小企業等経営強化法の狙いは、今まで新しい取り組みをあまり行っていなかった企業のレベルの底上げを図ることです。ですので、「経営力向上計画」申請書は比較的容易に作成できる内容のもので、郵送での申請が可能、かつ形式チェックのみで認定を受けることができます。

 

経営力向上計画

「経営力向上計画」の認定を受けるには、労働生産性を5年で2%改善などの計画を記載する必要があります。


取り組む指標については、製造、卸・小売、外食・中食、旅館、医療、保育、介護、貨物自動車運送、船舶産業、自動車整備の10分野では分野別の指針が公表されているので、指針に基づいた指標とする必要があります。

 

また、固定資産税の減免を受ける機械設備の条件としては以下があります。

 

● 2016年7月1日以降に取得した160万円以上の機械設備を対象とする。
● 機械設備の取得日から60日以内に経営力向上計画が受理される必要がある。(郵送の場合は消印日を受付日とする)
● 新製品モデルの証明書を添付する必要がある。

 

「経営力向上計画」の認定に」基づく固定資産税減免措置は、2019年3月末までです。

 

(2016年年末までに認定を受けると、3年間の減免、年明けになると2年間の減免となります)

 

なお「経営力向上計画」の認定時に設備を特定する必要はありません。認定後、設備が決定した時点で、変更手続きをすることで減免措置を受けることは可能です。

生産性向上設備投資促進税制

2年前に導入された、生産性向上設備投資促進税制では、適用を受けると以下の税制優遇措置を受けることができます。(H29年3月末まで)

・特別償却50%(建物・構築物は25%)

 または
・税額控除 4%(建物・構築物は2%)

 

「経営力向上計画」の認定による固定資産減免との併用はもちろん可能です。