6月18日に事業再構築補助金の第1回公募の採択結果が発表されました。
結果発表から、わかったことなどを4点お知らせします。
一つ目は採択率です。
採択率は、緊急事態宣言特別枠 66.3%、通常枠 34.5% でした。
これが何を意味するのかというと、緊急事態宣言特別枠は有利!
ということを伝えたいのではなく(もちろんそれもなくはないですが)
事業をしっかり見直して「再構築」することが求められているということです。
何が言いたいかというと、何か新しいことをすれば対象になる制度ではなく、
事業全体の見直しをすることが求められている補助金ということです。
既存事業がそれなりの好調で、事業全体の見直しや再構築が特に不要な場合、
また、すでにいろいろとトライされていて、これから新規に取り組むようなことが
あまりないような企業にとっては、取り組みにくい補助金のようです。
二つ目は、実行可能で、実現性の高い計画が求められているということです。
一つ目のポイントとして、事業の「再構築」が求められていると書きました。
では、思い切った事業転換をすればそれでいいのか?というと
それは、要件の一つ目に過ぎません。
その事業転換がなぜ事業計画通りに実行できると言えるのか。
なぜ成功できると言えるのか。
客観的な根拠を具体的に示すことが求められています。
「脱いだら凄いんです!」みたいな当事者にしかわからない話ではなく
なぜ凄いのか。どのように凄いのか。言葉で説明してください。ということです。
根拠なき(実際はあるにしても…)自信は「客観性のなさ」と捉えられ、
見込みの甘い計画として、かえってマイナス評価になります。
三つ目は、企業間連携・業界内連携・地域連携が推奨されているということです。
これは、行政事業レビューでの指摘事項でもあります。
補助金は、税金を使って行う国の事業です。
個々の企業が成長することはもちろんですが、企業が連携し、業界として、地域として
業績回復するような取り組みが推奨されています。
四つ目は、他社の真似はダメよということです。
業種的に回復するのではれば、同じ計画でいいのか?というと、それはNGです。
第1回公募で、同じ認定支援機関が支援した複数企業が同様の事業計画を申請したという
事例がありました。
この件に関して、事業再築補助金サイトで以下のように発表されました。
「第1回公募で採択を発表した案件の中に、重複案件と思われる事業が発見されましたので
現在調査中です。不正が判明次第、厳正に対応いたします。
公募要領4.(7)⑩にありますように、他の法人・事業者と同一又は類似内容の事業
については、厳正に対応いたしますので、十分ご注意ください。」とのことです。
安易に他社の模倣をしないように注意が必要です。
なお、第一回公募の採択結果の事業概要がWEB上で公開されています。
いずれも新分野・新技術などに果敢にチャレンジする内容となっています。
自社と同業種などの会社がどのような事業計画で採択されたのかを確認することは
事業再構築補助金にトライしない場合でも今後の経営方針の参考になることでしょう。
https://jigyou-saikouchiku.jp/result.php