「受注が増加して事務作業が大変!」
しばらく前に支援先様の営業事務の方と雑談していた時のことです。
「主要な取引先様からの受注が増加している」、そんなお話を伺いました。
受注増加に伴って、EDIから発注データをダウンロードして印刷し、
社内システムに入力する件数が増えて大変との事でした。
そのお話をお聞きして、私が思ったこと。
それは「RPA」で何とかできないか?という事でした。
「RPA」とは、パソコン作業を自動化する技術のことです。
そこで、ネットで「RPA」と検索し、ヒットした会社、数社に対して
資料請求することにしました。
面白かったのは、その資料請求に対する対応が各社各様であったことです。
資料請求しておいて読まない。社名を覚えていない酷いユーザー(=私)
多くの会社が資料請求に対して資料ダウンロードできるリンクをメールで
送ってくれました。
中には、大量の資料をダウンロードできるようにされている会社もありました。
知りたい事は人によっていろいろ。
だから、提供できる資料は、出し惜しみせずに全部、提供しよう。
一見、ユーザ思いの親切な対応ですよね。
ただ、私はダウンロードした大量の資料を結果的に一切見ませんでした。
なぜなら、資料が多過ぎて、どれを見ればいいのかよくわからず、
見る前におなかいっぱいな気分になってしまったからです。
また、ある会社は、資料送付後、フォローの電話をくださいました。
「資料をご覧になりましたか?」
電話口で尋ねられた私は答えられませんでした。
なぜなら、ダウンロードした資料をきちんと見ていなかったし、
そもそも数社まとめて資料請求したので、電話口で社名を名乗られても
どの資料の会社なのか、会社名を覚えていなかったからです。
資料請求した、相手の会社名を覚えていないって・・・。酷い話ですよね。
ただ、実際にはありがちな気もしています。
では、電話ではなく、メールの場合はどうだったか…というと
ある会社は「不明点があれば説明します。いつ頃がよろしいですか?」
とフォローのメールをくださいました。
ところが、私は何が不明点かもわかっていないレベルだったので、
返信できませんでした。
何が言いたいかというと、ユーザの立場になって初めて気づく事が
多かったということです。
トンデモナイ酷いユーザー(=私)が一社にだけ返信した理由は?
「お客様のために」、良かれと思ってしている事が本当にお客様にとって
プラスなのかどうか?
「売られる」サイドに立って改めて気づく事が多かったです。
結局、ある会社の提案メールにだけ返信メールを送り、
その会社の説明会に、支援先様と参加して説明を受けました。
なぜ、その会社にだけ返信したのか?
それはその会社が送ってきたメールだけが返答しやすかったためです。
その会社は資料請求しても資料は送ってきませんでした。
その会社が送ってきたメールは以下の通りです。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
お世話になります。〇〇社の△△と申します。
〇〇の資料請求をありがとうございました。
オンラインにて詳細説明させていただきます。
以下、日時のご都合はいかがでしょうか。
難しい場合は、2~3候補案をお知らせ下さい。
■ 候補日
-------------------------
・〇月〇日 (〇) XX:30~XX:30
・〇月〇日 (〇) XX:30~XX:30
当日は、
社内の皆さまにも、ご一緒に未来を感じていただきたく、
お声掛けをして下さると嬉しいです。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
上記が資料請求の結果、私が受け取ったメールです。
資料を請求したのに資料の送付はありません。
なのに、私は何の疑問も感じず、逆に読まなくても、
口頭で説明してもらえるなら助かると自然に感じていました。
そして、2つの日程の提示がされています。
人は何の選択肢も提示されなかったり、多くの選択肢を提示されると
何て回答すればいいのか迷います。
2つの選択肢を提示されると答えやすい。
そして、この2つ提示された日程の候補が絶妙でした。
一つが直近の日付、もう一つは10日後くらいの日付。
すぐに話を聞きたい人、当面忙しいから少し先にしたい人の
両方を想定した選択肢。
これが両方とも直近日付であったり、両方とも先の日付であったりして
自分の想定とまったく合わないと
「この会社とは合わないな…」という違和感につながり
ここで離脱してしまう可能性があります。
時間帯も、先方事情がわからない前提で、午前と午後の2つに
分けられていました。
開始時間、終了時間がどちらも30分になっているのも
その方が予定を入れやすい場合が多いなどのノウハウが
きっとあるんだろうと思っています。
説明会での説明もよく整理されていて、おそらく対応マニュアルが
整備されていて、PDCAが回っている印象を受けました。
説明会では内容以上に「上手に提案するなあ・・・」
そちらに神経が行ってしまったくらいです。
お客様目線で動線を見直す(カスタマージャーニー)
大事なことは、相手が受け取りやすく返しやすいボールを投げること。
それと、相手が一段、階段を上りやすいようなステップを作ること。
ユーザ目線で自社の顧客獲得の動線を見直してみる事、とても大事だと
気づかされました。
「RPA」の情報収集をするつもりがマーケティングとセールスの
勉強をさせていただきました。