弱くても最速で成長できる 「ズボラPDCA」とは(北原孝彦著書)

ズボラPDCA

面白い本を読みました。北原孝彦さんという人が書いた「ズボラPDCA」という本です。

 

北原さんは「2015年に美容室を開業。翌年に2店舗目を展開。立ち上げる美容室は

『店長を作らない』『フレックス制』『仕事が終わったスタッフから帰宅』『週休3日制』など

独自の考えを元にリピート率90%以上、低離職率、入社希望のスタッフが順番待ち。

ゼロから4年で美容室を全国に100店展開(フランチャイズ含む)」という方です。

 

何が面白かったか?というと、日本キャッシュフローコーチ協会主宰者の和仁達也先生と

考え方がとてもよく似ているのです。中に和仁先生が入っているんじゃないか?と思うほどです。

 

キャッシュフローコーチには「こうすれば成果が上がる」という共通言語がいくつかあります。

 

北原さんの書かれていることが和仁先生の考え方と極めて似ているので、結果的に

キャッシュフローコーチ的考え方と酷似しているのです。具体的には以下の箇所などです。

 

1) PDCAを回すことができないのは面倒くさいから

 ”PDCAを回すことができない一番の原因は…「面倒だから」”(p.28)

 

誰もがPDCAが大事とわかっています。だけど、できないんです。

理由は面倒だから。そして社長に何かを強制する人は社内にいないから。

だからこそ「健全な強制力」が必要なのです。

 

2) 脱完璧主義

”何かを始めるときは「勢い」を利用する。「カンペキ主義」は卒業”(p.124)

 

新しいことを始めるとき、人は完璧主義になりがちです。

そして、これがまだできていないから…などと理由をつけて、つい先送りにしてしまう。

だから、新しいことを始めるときは、脱完璧主義でまずはやり切る。

 

ザッカーバーグも言っています。

完璧を目指すよりまず終わらせろ」(Done is better than perfect.)

 

なお、すぐ着手することの重要性を表す言葉として

キャッシュフローコーチの共通言語には「今すぐ15分」というキーワードもあります。

 

3) 言語化で思考の精度を上げる

”行動を検証して再現性を持たせる。このときに必要な作業が「言語化」”(p.141)

 

多くの人が「なんとなく」でしか物事を考えていない。

曖昧なイメージが言語化されていないから、思考がクリアにならない。

言語化して初めて、考えていることが自分自身にとって明確になります。

人に伝えられるようにもなります。

 

4) 「壁打ち」でより速く深く考える

”思考の精度を上げるために人に話す。この作業を「壁打ち」という。”(p.152)

 

”壁打ちの応酬をしているうちに、言語化がどんどん研ぎ澄まされていく。

 言語化が研ぎ澄まされれば、アイデアの精度が高まり、隙や粗のない、失敗しない行動ができるようになる。”(p.158)

 

”壁打ちの目的は相手に何かを教えてもらうことではなく、自分の考えを言語化すること。

 定期的に自分のやっていることを報告するメンター的な人がいるとさらにいい。

 定期的に壁打ちを行うと、PDCAサイクルが回りやすい。”(p.159)

 

北原さんは「思考の精度を上げるために人に話すこと」を「壁打ち」と言っています。

ここは和仁先生の定義と少し違います。

 

和仁先生の定義では

クライアントの思考を助けるためにさまざまな角度から質問を投げかけること」が「壁打ち」です。

 

人が思考するとき、問い(論点)を設定し、その問いに対する答えを考えます。

論点設定と解の探索の往復です。

 

「壁打ち」とは、キャッシュフローコーチが論点設定の役割を担うことです。

論点設定をキャッシュフローコーチが担うことで、クライアントは問いに答えることに思考を集中できる。

 

その結果、クライアントはより短時間でより深く考えることができ、納得の意思決定を見出しやすくなる。

これが和仁先生の考える「壁打ち」です。

 

結果的にやっていることは同じです。

クライアント側から物事を見ているか。コンサルタント側から物事を見ているか。

その違いがありつつ、同じ結論に行きつくところが興味深いです。 

 

5) 1アクション3ゴールで成果を加速する

 

”提案したいのが「一つのアクションでさまざまなリターンを狙う」という仕事術。

できれば”一石六鳥”くらい狙いたい。”(p.178)

 

同じことを日本キャッシュフローコーチ協会では「1アクション3ゴール」と言っています。

 

何かをするとき事前に複数の角度の異なるゴールを設定する。

それによって同じことをしていても、複数のゴールが達成できるので、成果が加速する。

 

角度の異なる複数のゴールを考えることで、着眼点も磨かれます。

 

6) 事前期待のマネジメント

”できない約束はしない。着目するのは相手の「期待値」。「期待値のズレ」を起こさない。”(p.188)

 

コンサルティングという仕事はサービス業です。

サービス業には「無形性」「同時性」「消滅性」「異質性」といった特性があります。

このうちの「無形性」は「形がなく見えない」という特性です。

 

だからこそ、クライアントの期待値との齟齬を生じさせないことが重要になります。

何を提供するのか。事前のすり合わせをすることが必要です。

 

キャッシュフローコーチはそれを「事前期待のマネジメント」と呼んでいます。

 

ズボラPDCA

 

以上、キャッシュフローコーチの共通言語の一端を北原さんの著書に絡めて、ご紹介させていただきました。

 

(1) PDCAを回すことができないのは面倒くさいから
(2) 脱完璧主義
(3) 言語化で思考の精度を上げる
(4)「壁打ち」でより速く深く考える
(5) 1アクション3ゴールで成果を加速する
(6) 事前期待のマネジメント

 

なお、上記内容をFacebookに投稿したところ、和仁先生のコメントは

「成果の出る秘訣は、業界を問わず共通しますね」でした!