キャッシュフローコーチは、会社のお金の流れを見える化して、経営者が納得の意思決定ができるように手助けする仕事をしています。
会社のお金の流れを扱うせいか、たまに
「税理士さんとどう違うの?」
「会計士さんと何が違うの?」
と聞かれることがあります。
キャッシュフローコーチと税理士・会計事務所との違いを表にまとめました。
税理士・会計事務所 | キャッシュフローコーチ | |
◆ 活動のフィールド | 税務会計(正しい納税をするための会計) | 管理会計(納得の経営判断をするための会計) |
◆ 主にやること | 決算書・試算書の作成と節税対策 | 社長の意思決定の支援と社内コミュニケーションの円滑化 |
◆ フォーカスする点 | 過去の数字(決算書を正確に作り、税務申告するために必要) | 社長のビジョンと未来の数字(見通しを立てるために必要) |
◆ 必要なスキル | 正確さ。会計・税務の知識 | 相手から意見を引き出し、質問で論点を整理するコミュニケーション能力 |
◆ 使う資料 | 決算書・試算表・月別損益計算書 | お金のブロックパズル・キャッシュフロー計画表 |
まず、税理士さん・会計事務所さんは、正しい決算書を作成するのがお仕事です。
そのために必要な数字は、正確な実績値です。
キャッシュフローコーチは、社長が納得の経営判断をするための手助けをすることが仕事です。
そのために、わかりやすくお金の流れを見える化して、見通しを示します。
必要な数字は未来の数字です。
使う資料も違っています。
税理士さん・会計事務所さんが作成する資料は、損益計算書や貸借対照表です。
損益計算書には、利益情報が記載されています。貸借対照表には、キャッシュの情報が記載されています。
つまり、損益計算書と貸借対照表で、情報が分断されています。
そのため、会社のお金の流れの全体像をイメージすることが難しいのです。
キャッシュフローコーチが作成する資料は「キャッシュフロー計画表」(1シート★マネープラン)です。
「キャッシュフロー計画表」(1シート★マネープラン)は、利益情報とキャッシュ情報を一枚のシートで表現します。
そのため、お金の流れの全体像の把握がしやすくなっています。
さらに、計画値に月別の実績値を上書きすることで、利益とキャッシュの着地見通しがざっくり確認できるようになっています。
利益とキャッシュの着地見通しを確認しながら、経営できるので安心感があります。
また、全体のバランス(売上、粗利、人件費負担、利益、資金繰り、借入依存度など)を考えた意思決定がしやすいのです。
ただし、キャッシュフローコーチが作成する「キャッシュフロー計画表」(1シート★マネープラン)は、税理士さん・会計事務所さんに作成いただいた試算表をもとに作成しています。
どちらがいい、悪いではなく、役割の違いだと考えています。
正確な決算と税務申告用に作成した資料そのままで、経営判断をしようとするから、やりにくいのです。
経営上の意志決定のためには、その目的に合った資料を使うことが必要ですね。