会社の生産性アップに向けた社員研修でのお話です。
意見を出していただく中で、ある社員さんから、こんな意見が出てきました。
「生産性アップしたいなら、もっと生産に割く時間を増やした方がいい。
生産に直結しない事をやめてはどうか?
この研修の時間が一番ムダだと思います!」
研修での話し合い自体を否定されてしまいました・・・。
私は彼がどんな意図でそのような発言をしたか、知りたいと思いました。
そこで、その次の研修日、早めに行って、機械を操作する彼の姿を
少し離れた所から見ていました。
仕事に取り組む彼の様子を見ていて仕事に一生懸命、打ち込んでいること、
悪意があるわけではなく、会社をよくしようと思っての発言であることが
理解できました。
そこでその日の研修の冒頭で伝えた事は
「会社は〇〇というビジョンを掲げています。
今、これは何%くらい実現していますか?」
社員さんの答えは
「40%くらい…?」
「60%!」
「50%くらいかなあ…。ここはできているけれど、ここはまだまだだよね」
いろんな意見が出てきました。
そこで、こうお伝えしました。
「今100%でないという事は今の延長線上ではない未来に行くという事ですね?
何かを変えるという事ですね?
何をどう変えるか、この場で一緒に考えませんか?
ここにいる皆さんは職場のリーダーです。
本気でビジョン実現に向けて行動しているか。
周囲はみんな見ています」
そこから場の雰囲気が変わり、当事者意識での意見も出てきました。
何のためにやる事なのか、私がきちんと目的を伝える事ができて
いなかったという事です。
自分の頭の中にあった、取り組みの目的、きちんと伝えられていなかった。
わかるだろうと思ってしまっていた事、反省しました。
「言わなくても、それくらいわかるだろう」
「普通に考えたら、わかるよね」
「いつも言ってるから、わかる筈」
よく聞く言葉です。
立場によってモノの見方もさまざまです。
頭の中の情報量も違います。
何のためにすることなのか。目的を必ず伝えることの重要性に
改めて気づかせていただいた出来事でした。
何をするのか。どうやってするのか。それも大事です。
まず、その前に何のためにする事なのか。伝えていますか?
伝わっていますか?