以前に資金繰りが悪化した企業の社長様とお話させていただいた事があります。
資金繰り悪化に気づいた時にどんな対応を取られたかというと…
「何とかなると思った」そうです。
この傾向は特に創業社長さんに多いと思っているのですが
創業社長さんには「自分が何とかする」、「何とかできる」という
タイプの方が多いように感じています。
ある創業社長さんが起業に必要なマインドについて
「未知の事にチャレンジするには、根拠のない自信というか、
自分だったらやれるという感覚が大事」と話されていて、
それは本当にその通りだと思うのですが、その感覚が業績悪化局面で発揮されると、
一種の「正常化バイアス」が働き、何とかできると思ってしまう…。
(「正常化バイアス」とは、自分にとって都合の悪い情報を
過小評価する傾向のことを言います。
その結果、災害時に逃げ遅れたりする…)
往々にして、そんな事があるようです…。
資金繰りについて考えると、現時点の大きな社会的問題は、
コロナ借入の返済です。
コロナ禍で多くの企業が業績悪化。国は業績悪化した企業を助けるべく
公庫のコロナ貸付やゼロゼロ融資を実施。
このコロナ借入の据置期間が終わり、
返済開始となる企業が今年(2023年)の7月以降に急増するようです。
平時であれば、
簡易CF=経常利益-法人税等+減価償却費 をまずは確認する。
・簡易CF > 年間の返済額 → 返済可能
・簡易CF ≒ 年間の返済額 → 資金繰り厳しい
・簡易CF < 年間の返済額 → 資金繰り難
と判断できるのですが、コロナ借入で借入残高と預金が
同時に増えた企業においては、借入と預金を同時に減らして
返済していくケースが圧倒的に多いと思われます。
この場合、簡易CF < 年間の返済額 なので、
今後、数年間の資金収支シミュレーションも含めての確認が必要となります。
この場合、預金にお金はある事が多いので、現時点で問題は顕在化していない。
しかも日々の業務で忙しい…。
「何とかなるだろう…」と思いやすいパターンです。
その中には、実際に何とかなる企業もあれば、資金繰り難に陥る
企業もあると思われます。
こういう問題では早めの対応が重要です。
早く気づけば、取りうる選択肢も多くなります。
今後の返済負担に耐えられるかご心配な場合は
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自社の経営数字をどのように判断に活かせばいいかお伝えさせて
いただきます。
自社の経営数字を知る事で今後を見通して、やるべき事に
取り組めるようになるでしょう。