「損している!」「損した!」と思うときは、どんな時ですか?
人間は「得をした嬉しさ」よりも「損失の痛み」をより強く感じるそうです。
100得しても、そこそこの嬉しさだけど、100損すると、とても痛く感じる。
これを「損失回避の法則」と言います。
太古の昔、何か損をすることは、生命の危機につながる可能性もあった。
だからヒトは得よりも損を強く意識するようにできているのかもしれません。
こういう人間の性質があるので、 人が「うまく立ち回って得している」
みたいな話を聞くと、 自分は損しているのかも…?と
つい気になってしまうのではないかと思います。
たとえば、しばらく前に話題になった、会社員の副業による節税策の件。
会社員が副業として大家業などの事業を小さく行い、赤字を出して、
給与所得と損益通算することで、税金を減らせるというスキームです。
「会社員の多くがやってるよ」的なノリで、節税指南の動画発信の他、
書籍も出版されているようです。
この”節税策”封じの策を国税庁が通達し、それに対する反発でゴタゴタしたわけですが…。
正当に仕事をして正当に納税するという観点に立つと
何が正しいかはおのずと見えてくるのではないでしょうか。
あるいは、最近、面白いなと思って、ときどき見ている、
ツイッターのアカウントがあります。
「国税庁に戻った黒崎」(@kurolovesnaoki)という名前のアカウントです。
https://twitter.com/kurolovesnaoki
ドラマ半沢直樹シリーズの登場人物の名前を模したアカウントですが、
実際に国税庁関係者のようです。
たとえば、先日はある起業家アカウントが
「親を役員にして、無労働で役員報酬月50万」というツイートをしたところ、
過少申告(脱税?)で「はい、重重加算税」という指摘をされていました。
その後、実際に、その起業家に対して、税務署から問合せの電話があったようです。
「こんな風にすれば得だよ」という法律スレスレな(あるいは法律違反の)
情報発信を取り締まることで、怪しい情報発信に振り回される人が減るのは
大変良いことだと考えています。
映画監督の小津安二郎は
「どうでもよいことは流行に従い、
重大なことは道徳に従い、
芸術のことは自分に従う。」
という言葉を残したそうです。
私たちも
どうでもよいことは流行に乗ってみるけど
重大なことは道徳・価値観・経営理念に従い
事業のことは自分の考えでやりたい事をやる。
という風にしたいものですね。