「率」と「額」、どちらをどう見る?

経営状況を把握するために見ている数字は何ですか? 

人によって、会社の状況によって、答えはいろいろあると思います。 

 

通帳の残高の推移を見ているという人がいます。

一つの着眼点だと思います。 

 

毎月させていただいているキャッシュフローコーチングでは 

主に、2つの数字を見ています。 

 

一つ目は、このままいくと利益の着地見通しはいくらになるか? 

二つ目は、この先、手元資金に問題はないか?

この2点です。 

 

この2点を見ている理由は、先の見通しが不透明なことが 

経営判断にマイナスの影響を与えると考えるためです。 

 

手元資金が不十分であるのに費用を使い過ぎてしまったり・・・。 

手元資金で設備投資してしまったり・・・。

逆に資金繰り不安によって本業に専念できないなどです。 

 

このままいくと期末に利益はいくらか? 

手元資金に問題はないか? 

 

この2点を確認した上で、計画と差異がある場合については 

どこで差異が発生したのか? 要因を確認しています。 

 

要因を確認する理由は何か?

それは次の行動を決めるためです。 

 

だから、見るべき数字とは次の行動につながる数字です。 

 

中小企業診断士の資格取得の際に財務分析について学びました。 

収益性分析や安全性分析、生産性分析・・・。

 

流動比率とか在庫回転期間とかいろんな指標がありました。 

 

これらの財務分析は、客観的に見て自社はどんな状況なのか。 

同業比較や過去比較するには非常に有効な手法です。 

 

ただ、そうした財務分析による状況把握は年に一度する程度で

十分なのではないでしょうか。 

 

期中に毎月見るべき数字は、そのような「率」よりも「実額」です。 

 

その理由は「売上が計画比90%」と聞いても 

次の行動がイメージしにくいためです。 

 

「売上が予実差〇〇千円」と聞くと追加で

「〇〇千円」受注する必要があるとわかります。 

次の行動が明確になります。 

 

 

利益とキャッシュの見通しを確認した上で要因を確認して、

次の行動を決める。 

 

分析をいくら精緻にしても成果は生まれません。 

成果を生み出すのは行動だけです。