借入金の返済が進まない理由は 

 

しばらく前のお話です。

ある専門家と経営者の会話を横で聞いていて、モヤモヤっとしたことがありました。

 

どんな会話かというと、決算書を見ながら

「イイ感じにされていますねー」 って専門家の方が話されているんです。

 

その「イイ感じ」というのが何かというと、利益が少ない。

だから、税金をあまり払わなくていい。そういう意味らしいんです。

 

それをイイ感じというのか???

横で聞いていて正直モヤモヤっとしました。

 

皆さんは利益の額として、いくらくらいが理想的、あるいは適正とお考えでしょうか?

 

「銀行の手前、赤字は困るけれど、利益が多いと税金も多くなる。
 だから、ソコソコの適度な利益がよい」

 

そういう考えの方が多いように感じています。

 

これって、いくらの利益額にしたいか。その利益額の明確な基準がない。

もしくは税金だけの基準になっている。そういう状態です。

 

利益って、税金計算のためだけにあるのではありません。

利益はキャッシュの源泉です。

 

だから、今後どんな会社を目指すのか。
そのためにはいくらの投資が必要なのか。

 

あるいは借入金を減らしていくために、いくらの返済原資が必要なのか。

その中長期ビジョンがあって始めて、いくら利益を上げる必要があるのか。

必要な利益の金額を考えることができます。

 

税金基準だけで利益を考えているといつまで経っても借入の返済が進まない。

そんなことになりかねません。

 

あるいは、将来に向けて投資したい場合、銀行借入が必要という場合が多いでしょう。

借入を有利に進めるためには、やはり一定の自己資本比率も必要です。

 

自己資本比率を高めるには、利益を上げていく必要があります。

 

自社は今後どうしたいのか。
どんな会社を目指すのか。

 

ビジョンと数字は経営の両輪です。