毎日のように「働き方改革」や「労働生産性」というキーワードを新聞などで目にします。残業規制も検討されているようです。残業を抑制しながら、どうやって売上を上げていけばいいのか、頭を悩ませている企業も多いことでしょう。
インターネット検索で有名なアメリカのグーグルという会社は、日本よりも早く、2012年に「生産性向上」のテーマに取り組みました。
グーグル社では、業務ごとにチームがあり、チームによって業績が異なりました。成果を上げているチームは成果を上げつづけ、成果を出せないチームは成果を出せないままでした。
その差は何によって生じているのでしょうか?グーグル社は成果を上げたチームに共通する特徴を分析しました。
その結果、わかったことは、生産性の高いチームに共通する要素とは、チームワークでも行動基準でもなく、なんと「心理的安全性」だったのです。
「心理的安全性」とは、非難されたり批判されたりせずに発言や行動ができると個々人が感じられる状態を言います。
成果を上げているチームでは、メンバーの間に配慮や共感があり、「心理的安全性」が確保されていました。それによって、各メンバーは躊躇せずに質問や新しいアイデアの提案ができ、それがチームの成果を生み出していたのです。
チームの「心理的安全性」を確保するには、メンバー全員の関わりが必要ですが、まず重要なのは、リーダーのあり方です。
さて、最近、そのリーダーのあり方についての本を読みましたので、ご紹介します。
「困った部下が最高の戦力に化ける すごい共感マネジメント - 売上を伸ばしているリーダーが実践している最強チームの作り方」(中田 仁之著)という本です。
この本によると、「真のチーム=強い組織」になるために、リーダーがとるべき姿勢と手順とは以下の5つだそうです。
1. 感謝を伝える
大切な人にきちんと言葉で感謝を伝えること。
2. 可能性を信じる
大切な人の可能性を最後まで信じ、相手の自信をあなたが育ててあげること。
3. 誤った行為を叱る
叱る時は人格を否定せず、誤った行いを短い言葉で叱ること。
4. 感情を共有する
恥ずかしがらず、喜怒哀楽を一緒に表現すること。
5. チーム心を養う
チームのためには自分には何ができるのか? を全員が自問自答できる雰囲気を作ること。
感謝を伝える、可能性を信じることは、心理的安全性の確保にもつながりますね。
「困った部下が最高の戦力に化ける すごい共感マネジメント - 売上を伸ばしているリーダーが実践している最強チームの作り方」(中田 仁之著)
<目次>
序章
真のリーダーを目指すあなたへ
人を育てるということ
強い組織を作る共感力
STEP 0 強い組織を作るリーダーとしての心構え
STEP 1 感謝を伝える
STEP 2 可能性を信じる
STEP 3 誤った行為を叱る
STEP 4 感情を共有する
STEP 5 チーム心を養う