Amazon、使っていますか? 1995年7月に創業し、日本では2000年にサービス開始した巨大IT企業です。
時価総額は2.50兆ドル。S&P500指数の上位10銘柄の常連企業でもあります。
個人的には、Amazonの利用頻度は低めですが、それでも本を買うときなどにお世話になっています。
先日、Amazonから一通のメールが届いたことをきっかけに、何度も問合せするなどのやり取りを行うことになりました。
その過程で感じたことは、
・グローバル企業の論理は日本の法律軽視・・・?
・巨大IT企業のセキュリティ重視のプロセスとユーザ対応の柔軟性のトレードオフ
・巨大企業の分業の結果などによるカスタマーサポート不全
などでした。また、カスタマーサポートの現場がほぼ外国人の方であることも改めて認識しました。
今回のやり取りで感じた現実の一端をご紹介します。
※なお、本文は長いので、簡単に論点をまとめると
・Amazonから7年前の返品返金に関する連絡が届き、返金方法を巡って複数回の問い合わせが必要になった。
・返金口座登録の形式違いが原因と後に判明したが、担当者間で説明が食い違い、処理状況も不透明だった。
・巨大IT企業のセキュリティ優先や分業体制により、ユーザ側が状況を把握しづらく、サポートの不全や硬直性を感じた。
・個人情報保護法への姿勢が不十分に思える点も気になった。
・さらに、巨大IT企業にもかかわらず、システムに何らかの不備や瑕疵がありそうでもあった。
というお話です。
1.Amazonから届いた7年前の返品返金メール
「事の始まり」は、Amazonからの一通のメール連絡でした。そこには以下のように書かれていました。
平素よりAmazon.co.jpをご利用いただきありがとうございます。
Amazon.co.jpでお手続きいただいた返品が完了していない件でご連絡を差し上げています。
最近行われた社内調査の結果、一部、返品処理が正常に行われなかったケースが確認されました。
これまでご連絡を差し上げることができず、お詫び申し上げます。
時間が経過してしまったことを踏まえ、これらの返品に対して返金をさせていただきます。
お客様のご注文でも該当する返品がありましたが、対象の商品の返金処理は完了しております。
返金は元のお支払い方法か、元のお支払い方法に返金できない場合は、お客様のアカウントに
Amazonギフトカードで返金しております。
返金処理が完了しアカウントに反映されるまで、通常3~5営業日かかることをあらかじめご了承ください。
本件につきまして、お客様側でのお手続きは不要です。
今後は未完了の返品処理についてより迅速にお客様にご連絡できるよう、プロセスを変更いたしました。
詳細については、「取引履歴」をご覧ください。
注文番号:XXX-XXXXXXX-XXXXXXX、返金額:XXXX円
ご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。
Amazon.co.jp
「時間が経過してしまったことを踏まえ、返金」って、おかしくない?と内心ツッコミつつ、
注文番号をもとに注文履歴を検索したところ、注文日は2018年2月28日。実に7年前です。
確かに時間は経過している。当時使用していたクレジットカードはもう手元にはありません。
「Amazonギフトカードで返金」と書かれていますが、先述した通り、Amazonの利用頻度は低めです。
ギフトカードではなく、銀行振込にしてもらえないかと思い、Amazonに電話しました。
銀行振込を依頼したところ、電話口で返金用口座の登録を指示され、その場で口座を登録しました。
その際に「返金処理に2~3週間かかる」との説明を受けました。
これが2025年10月6日のことでした。
2.返金処理済のはずなのに、入金されない
上記から3週間あまりが経過しました。返金用口座として指定した口座を見ても入金がありません。
電話で状況を問合せました。Amazon担当者の説明では
「10月14日に返金用口座に返金処理済です。後は銀行に問合せしてください」
いやいや、入金されていないし…。せめてどの銀行からどんな処理したか教えてもらえませんか。
調査いただくように依頼して電話を終了。その後に届いたメールは以下の内容でした。
当サイトで返金の手続きが完了いたしましたお日にちは、10月14日でございます。
返金口座につきましてはお電話口でお伝えいただきました銀行にて間違いはございませんので、
一度、銀行様にお問い合わいただければと存じます。
電話口で聞いたこと以上の情報がない!ゼロ回答やん・・・。
念のため、銀行問合せするも「何の情報もないのでは、お調べしかねます」
それはそうだよね・・・。
ただ、カスタマーサポートの方が
「入金処理後、反映するまで2~3週間かかることがあります」とおっしゃるので、
しばらく待ってみることに・・・。
(振込後2~3週間かかるなんて、そんなことある?)
3.返金用口座の口座名義人の登録間違いと判明
10日ほど待って、やはり入金がないので、Amazonに電話問合せ。ここで少し進展があったのです。
対応してくれた方が返金用口座を調べてくださって、
「口座名義人がアルファベットで登録されています。通常は半角のカタカナです。
このためにエラーになった可能性があります。
今日、入金処理をし直すので、返金用口座をいったん削除して、再登録ください」
クレジットカードがもう手元にないという話をしていたので、つい無意識にクレカと混同したらしく、
口座名義人名をアルファベットで登録してしまっていたのでした。
前回、電話で案内されて、その場で返金用口座を登録したときに、口座番号のタイプミスをしていないかに
ついては気になって、「万一、入力ミスがあるとどうなりますか?」と質問し、
「銀行口座と情報が合致しなかったら、エラーになるのでわかります」との説明を受けていました。
口座番号の入力ミスは考えたけど、口座名義人の形式違いとは気づいていなかった・・・。
担当の方いわく「今日改めて入金処理します。2週間ほどお待ちください」とのことでした。
これが11月10日のことでした。
4.一転してのAmazon担当者の強気の発言「勘違いでは?」
それから2週間あまりが経過。やはり入金されていない。
メール問合せやフォームでの問合せ手段がないので、また電話で問い合わさざるを得ない。
今回の担当者いわく
「10月14日に間違いなく返金処理済です。アルファベットとか関係なく処理できます。
この処理で今まで誰もそんなことを言ってきた人はいません。
勘違いされている場合もありますから、再度、通帳をご確認ください」
11月10日に返金処理がなされたと思って、待っていたのですが、されていなかったらしい。
そして、入金がないと言っても「勘違いでは?」とのことで取り合ってもらえない・・・。困った。
電話を切った後、対応策を考え、再度電話してみた。
「こうこう、こういう経緯なのですが、銀行の入金明細を見てもらった方がいいですか?」
カスタマーサポートの担当者いわく
「今からメールを送りますので、そこに記載するメールアドレス宛に送信してください」
ところが、送ろうとしてもセキュリティエラーが返ってきて送信できない。再度電話して
「エラーメッセージが返ってきて、送れないので、別のアドレスで送ってもいいですか?」
「送ってください」
送信後、再度電話したときに言われたことは
「アカウントに紐づかないメールで送っても受領できません。
入金の件は、11月17日に社内に調査依頼が起案されています。調査には2週間ほどかかります」
え・・・?11月17日起点で、また2週間待つの?
11月10日に「入金するから2週間待ってください」という話だったのに、話が変わったのなら、
その時点でユーザに連絡せんの?
私 「では、2週間の調査後、文書での回答をお願いします。入金明細データについては
どうすればいいですか?」
担当者「入金明細データは送ってもらわなくてよいです」
電話やり取りが複数回に及び、最後の電話終了が22時頃。これで話は終わったと思っていたら、
その後で、Amazonからメールが届きました。
Amazon.co.jpにご連絡いただき、ありがとうございます。
情報ご提供いただき、ありがとう御座います。
お手数ですが、以下の電話番号まで営業時間中にご連絡くださいませ。
日本国内のお客様: 0120-XXX-XXX
日本国外のお客様: 81-XX-XXX-XXXX
営業時間:24時間
お電話でご連絡の際は、以下の情報を担当者にお伝えください。
・アカウントにご登録のお名前
・アカウントにご登録の住所
・アカウントにご登録のEメールアドレスまたは携帯電話番号
受領されないと聞いていた入金明細データが届いていたらしい。
電話するとまた時間がかかり大変なので、メールで名前や連絡先を連絡しました。
これが11月26日でした。
なお、送信したデータは、ネットバンキングからダウンロードした入金明細のPDFを
スクショして、関係ない箇所を黒塗りしたもの。
最初に送ったデータは最低限の黒塗り。後で思い返して、黒塗りの箇所を増やして、
「差し替えしてください」と2度差し替えデータをメールで送りました。
5.「一度受領したデータは削除できません」―利用不要な個人情報の削除拒否
それから数日、モヤモヤした気持ちが続きました。何が起きたのだろうか?
やはり口座名義人をアルファベットで記載してしまったことがエラー発生の要因なのではないだろうか?
そう考えて、その旨、改めてメールで伝えて確認を依頼しました。
するとAmazonから以下のメールが届きました。
Amazonビジネスにお問い合わせいただき、ありがとうございます。
このたびは、ご注文の返金について、ご心配をおかけしておりますことをお詫びいたします。
誠に恐れ入りますが、ご連絡いただきましたアカウントをお調べいたしましたところ、
ビジネスアカウントでは該当のご注文がございませんでした。
また、お問い合わせ本文にお知らせいただいたEメールアドレス「XXXXX」がビジネスアカウントに
ご登録のEメールアドレスとドメインが異なりますため、他のアカウントでご注文いただいた内容かと
推測いたします。
Eメールのお問い合わせの場合に、セキュリティ上の観点からご連絡いただきましたアカウント以外の
情報をお調べすることが叶いません。
大変お手数ではございますが、ご注文いただいた該当のアカウントより再度お問い合わせいただくか、
またはお電話にてカスタマーサービスまでお問い合わせいただきますようお願いいたします。
そこで改めてAmazonに電話問合せ。担当者の方いわく「返金の件は調査中です。入金明細データは不要です」
私 「不要なのであれば、お送りしたデータを削除いただけませんか?」
担当者「アカウントに紐づけできないメールは削除されますので、ご安心ください」との説明で電話終了。
でも何かがおかしい・・・。銀行明細データの画像を送った後で、Amazonから
「情報ご提供いただき、ありがとう御座います」というメールが届いている。
受領されているからメールが送られてきたのではないのか・・・?
改めて、電話で問合せ。そこで調べてもらって以下が判明しました。
以前にAmazonからのお勧めにもとづいて、ビジネスアカウントを登録したことがあるのですが、
利用の機会もなく放置し、どのように登録したかも失念していました。
今回、入金明細書のデータを送ったのは、そのビジネスアカウントに登録されていたメールアドレス。
そのため、ビジネスアカウントに紐づけて入金明細の画像データが保存されていることが判明しました。
「不要と言われたので、その添付データを削除いただけませんか?」
「そうですね…。そんなデータが残っていたら、私も嫌です。担当部門につなぎますね」
ところが、担当部門の方いわく
「一度受領したデータは削除できません。Amazonではそうしたご依頼はお受けしておりません」
私「個人情報保護法でそうした場合の規定が定められているのではありませんか。ご確認ください」
(日本の個人情報保護法では、目的外利用となった個人データは削除請求の対象)
確認を依頼して電話を終了しました。これが11月29日でした。
6.個人情報保護法軽視ではないのか・・・?
その2日後の12月1日、Amazonからの回答メールが届きました。
先日お問い合わせ頂いた際にご質問いただいた、お客様からお送り頂いたメールと添付画像の削除の
ご依頼の件ですが、担当まで確認したところ、やはりアマゾンでは対応でき兼ねるという回答でございました。
以下のURLがアマゾンのプラバシー規約に関するサイトとなっておりますので、ご参照いただけますと幸いです。
この度はお客様のご希望に添えない結果となってしましまして、誠に申し訳ございません。
Amazonとお客様のデータ
https://business.amazon.co.jp/abredir/gp/help/customer/display.html?nodeId=G7LUHQG6TKZRR4QQ
Amazon.co.jpプライバシー規約
https://business.amazon.co.jp/abredir/gp/help/customer/display.html?nodeId=GX7NJQ4ZB8MHFRNJ#GUID-7DD47866-E150-4545-B5F8-9CE6E408E54E__SECTION_4FFA7E45922F42B082BDA18ED1C364F1
いやいや、日本には個人情報保護法という法律があってですね・・・。以下の内容です。
個人情報の保護に関する法律
(利用停止等)
第35条第5項 本人は、個人情報取扱事業者に対し、当該本人が識別される保有個人データを当該個人情報取扱事業者が利用する必要がなくなった場合、当該本人が識別される保有個人データに係る第26条第1項本文に規定する事態が生じた場合その他当該本人が識別される保有個人データの取扱いにより当該本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合には、当該保有個人データの利用停止等又は第三者への提供の停止を請求することができる。
第35条第6項 個人情報取扱事業者は、前項の規定による請求を受けた場合であって、その請求に理由があることが判明したときは、本人の権利利益の侵害を防止するために必要な限度で、遅滞なく、当該保有個人データの利用停止等又は第三者への提供の停止を行わなければならない。
ただし、当該保有個人データの利用停止等又は第三者への提供の停止に多額の費用を要する場合その他の利用停止等又は第三者への提供の停止を行うことが困難な場合であって、本人の権利利益を保護するため必要なこれに代わるべき措置をとるときは、この限りでない。
対応してくれた担当部門の方が2人ともが「データは必要ない」と明言してくれているのだから、
個人情報保護法の「利用する必要がなくなった場合」に該当するのでは???
Amazonからのこのメールを見て、再度電話。
電話口で経緯を説明しても進展が見込めないことは学習済だったので、
「個人情報保護法にもとづく対応をお願いしたい」という一点を伝えるためだけに電話。
ところが、このときのカスタマーサポートの方がなかなかに感情表現豊かな方で
私「何度も経緯は説明済なので、経緯は後で履歴をご確認ください。今回は伝言だけお願いしたいです」
カ「お客様は私に経緯も説明してくださらない!」
私「何度も何度も説明してきて多大な時間をすでに費やしているんです」
カ「時間は問題ではありません!」
いや、問題だよ。あなたにとっては仕事に費やす正当な時間かもしれないけど、
私にとっては、本業を阻害する、限りなく生産性の低い時間だよ・・・。
その挙句・・・
カ「お客様のデータは削除しました!」
私「え?そうなんですか?」
そのやり取りの間に電話が切れてしまい・・・。その後で改めてメールで削除依頼。
その返信は以下。
ご提出いただいております個人情報(銀行明細の画像データ)に関しまして、
一度お送りいただいた情報はシステム上削除をお手配することが叶わないものでございます。
あれ?さっきのカスタマーサポートの方の「お客様のデータは削除しました!」発言は何だったんだ・・・?
なお同日、銀行にも再度、電話問合せし、カタカナで登録された口座の場合、アルファベットで入力処理すると
エラーになるとの説明を受けました。(自分の口座はカタカナで登録)
(それを聞いて、もっと早くに銀行に確認すればよかったと思いました。ただ、銀行の問合せ受付時間が
平日の9~17時であることもあって、なかなか電話するタイミングがありませんでした・・・)
その後、メールでやり取りするも全く埒が明かず、
・保有個人データ消去請求書
・返金トラブルに関する経緯連絡書
の2通の文書を作成し、Amazon代表者宛に簡易書留で送りました。
なお、個人情報保護法では、個人データの消去請求などの際の様式や方法を企業が定めることができるとしています。
個人情報の保護に関する法律
(開示等の請求等に応じる手続)
第37条 個人情報取扱事業者は、第32条第2項の規定による求め又は第33条第1項(同条第5項において準用する場合を含む。次条第1項及び第39条において同じ。)、第34条第1項若しくは第35条第1項、第3項若しくは第5項の規定による請求(以下この条及び第54条第1項において「開示等の請求等」という。)に関し、政令で定めるところにより、その求め又は請求を受け付ける方法を定めることができる。この場合において、本人は、当該方法に従って、開示等の請求等を行わなければならない。
Amazonに上記第37条についてメールで質問したところ、
提示の要求されている「所定の申請書式」「正式な請求手続き」「正式な請求手続きを定めたウェブサイトのURL」等は
ございません。
とのことでした。個人情報を扱う巨大企業であるにも関わらず、こうした手続きを定めていないあたりに、
日本の法律軽視の姿勢を感じざるを得ませんでした・・・。
(例えば、楽天市場では以下のFAQがあり、正式に請求手続きが行えるようになっています)
Q.個人情報の開示や利用停止・消去の請求したいのですがどの様に行えばいいですか?
A.個人情報保護方針に関するお問い合わせ窓口 にご連絡ください。お手続き方法についてご案内いたします。
7.翌日に届いた、過去の経緯を踏まえないメール
Amazon代表者宛に簡易書留で文書2通を送った翌日、Amazonから以下のメールが届きました。
このたびは、当サイトのご返金につきましてご迷惑をおかけいたしておりますことをお詫び申し上げます。
注文番号:XXX-XXXXXXX-XXXXXXX
商品名『XXXXXXXXXX 』
¥XXXX
上記商品の銀行振込ですが調査したところ実際には振込が失敗していることが確認できました。
誠に申し訳ございません。銀行振込をご希望の場合にはお手数をおかけしますがアカウントに
正しい返金用の銀行口座を登録しなおしていただき振込をご依頼いただきますようお願いいたします。
いや、だから、11月10日に口座情報を登録し直したって、何度も説明しているやん・・・。
8.長引くトラブルから見えた、巨大IT企業の構造的問題
さて、長々と経緯をご説明してきました。7年前の返品の返金メールから始まった今回の一連のやり取りは、
単なる「イレギュラーな返金トラブル」に留まらず、巨大IT企業が抱える構造的な課題を浮かび上がらせる結果になった
と感じています。今回のやり取りで感じたことを以下にご説明します。
(1)グローバル企業の論理と日本の法律軽視の構造
第一に、世界中のユーザを単一の仕組みで処理しようとする“グローバル標準”と、日本の法制度とのズレです。
特に、「日本の法律が定める義務」について、Amazonが手続きすら定めていないという事実について、
一ユーザとして留意が必要だと感じました。
これは、巨大IT企業が抱える「グローバルポリシーとローカルルール」の構造的問題と言えるのではないでしょうか。
(2)巨大IT企業のセキュリティ重視のプロセスとユーザ対応の柔軟性のトレードオフ
第二に、セキュリティを最優先した結果、ユーザサポートの柔軟性が犠牲になっている点です。
担当者間の情報共有やユーザへの対応に制限がある、誤って送った情報を訂正できず、データ削除ができない…。
セキュリティ強化自体は重要ですが、運用が過度に硬直すると「保護」ではなく「不便」や「不信」につながります。
また「例外処理が必要なケース」が生まれても柔軟に対応できません。
また、Amazonからの連絡メールはいつも送信専用で返信できません。
送信できるメールアドレスを教えてもらってからは、そのアドレスへメールを送りましたが、メールサーバーの
セキュリティ設定によるものか、Amazonに登録しているメールアドレスではエラーになってしまう。
そこで、別メールで連絡すると、
「メールでのお問い合わせの場合には、ご連絡いただきましたアカウント以外のアカウントについてはお調べが
叶いものとなります(原文ママ)」という結果となってしまい、話が進展しない状況でした。
(3)ユーザに過重な負担を強いるプロセスとカスタマーサポートの機能不全
第三に、巨大企業であるがゆえのサポートの分業化、ユーザに過重な負担を強いる問合せプロセスと
カスタマーサポートの機能不全です。
担当者ごとに言うことが異なり、前回の説明が次の担当者には共有されていない。
ユーザは毎回一から説明し直す必要があり、ユーザに過度な負担を強いる結果となっています。
「お電話にてご連絡いただけばと存じます」とAmazonからのメールに書かれているけど、
いや、電話したら、長い場合は、1時間半ほどかかるんだよ。短いときでも30分ほどはかかる。
しかも感情的なオペレータに不確かなこと(「お客様のデータは削除しました!」)を言われて、
途中で電話を切られるんだよ?
| 巨大IT企業の構造的問題 | トラブルにより判明した具体的な事実 |
| グローバル企業の論理と日本の法律軽視の構造 |
Amazonが、個人情報保護法 第35条第5項・第6項の「利用する必要がなくなった場合の消去義務」に対し、「システム上削除不可」のみで対応を拒否。
その法的根拠(多額の費用を要するなどの但し書き)を一切示さなかった。
さらに、法第37条が定める開示・削除請求の様式や手続き自体を定めていないことが判明した。 |
| 巨大IT企業のセキュリティ重視のプロセスとユーザ対応の柔軟性のトレードオフ |
セキュリティを理由に顧客対応の柔軟性を失い、結果的に顧客のよりセンシティブな個人情報(銀行明細)を不必要に保有するという、本末転倒な事態を招いている。
また、メールのセキュリティ強化により、アカウントに登録したアドレスからのメールを受領できず、システム運用の強化によって、他のアドレスからのメールは柔軟な対応ができない。
さらに、返金処理プロセスの開示が一切なく、不透明。 |
| ユーザに過重な負担を強いるプロセスとカスタマーサポートの機能不全 |
メール対応や問合せフォームが用意されておらず、問合せの際は電話で問合せせざるを得ない。また、電話では毎回、過去の経緯を一から説明することを要求される。
説明後、履歴確認し、担当部門につなぐので毎回時間がかかる。 (長い時で一回の電話に1時間半ほどもかかった)
さらに担当者によって「アルファベットでも問題ない」「アルファベットはエラーになる」と判断が分かれ、また、「削除しました」「削除できません」と事実に関する情報も錯綜した。
これは、組織内の情報共有が機能していないことを示唆している。 |
9.ローカル司法ルール軽視のグローバル企業の論理
なお、削除依頼に対応してもらえなかった時点で、個人情報保護法の相談窓口にも電話しましたが、
「企業が対応を拒否し、その回答に納得できない場合は、司法の場で争うことになる」との回答でした。
いち一般消費者が、時価総額2.50兆ドルの巨大IT企業を相手に、裁判所で「システム上削除できない」という
技術論争を戦い、「多額の費用を要するか」という企業の内部コストを証明することは、現実的ではないと考えます。
「司法の場で争うことになる」という回答は、個人情報保護法が実質的な強制力を持たないという、法の限界を
示すものであると感じられ、無力感を覚えました。
今回のトラブルの本質は、グローバリズムの下、巨大なグローバル企業のシステムポリシーが、個々の国の
消費者保護やプライバシー権などのローカルルールを意図せず軽視しているという構造にあるのではないでしょうか。
今回の件を通して感じたのは、
「グローバル企業の“標準化された仕組み”は強力だが、例外が発生した瞬間に一気に弱い・・・?」
ということです。
もちろん、Amazonは利用者数が桁違いに多いため、全ユーザに「例外処理の手厚さ」を提供するのは
現実的ではないのかもしれません。
しかし、日本の法律が定める「開示等の請求手続(法第37条)」すら定めていない企業姿勢や
利用目的が終了したセンシティブ情報(銀行明細画像)の個別削除を拒否する硬直性には、
企業としての法令遵守意識に疑問を感じます。
手続きの分かりやすい案内、情報削除の透明性、そして担当者間の情報共有など、改善の余地があるのでは
ないでしょうか。今回の経験は、
・グローバル企業は、日本の法律にどう適応すべきか(巨大IT企業のシステム運用における個人の権利保護)
・セキュリティと利便性、そして個人の権利は、どこでバランスをとるべきか。
について考える一つのきっかけになりました。それと、Amazonのシステムね。
最後まで、どんなシステム構成か、どんな処理なのかなど全く教えてくれなかったけど、受取銀行側が
エラーで弾いた処理をエラー検知できないシステムは、金融取引を扱う企業として致命的なのでは・・・?
10.【2025.12.11追記】最終回答-最後まで個人情報保護法観点での回答はなし
12月2日に簡易書留で送った2通の文書(保有個人データ消去請求書と返金トラブルに関する経緯連絡書)の回答が12月11日にメールで届きました。以下が全文です。
平素はAmazon.co.jpサイトをご利用いただき厚く御礼申し上げます。
Amazon.co.jpカスタマーサービス エグゼクティブカスタマーリレーションズXXより返答申し上げます。エグゼクティブカスタマーリレーションズでは、お客様へ優れた顧客体験を提供出来るよう、お客様からいただいたご意見をもとに、Amazon.co.jpのサービス向上に取り組んでおります。
このたび書面でお問い合わせいただきましたご注文#XXX-XXXXXXX-XXXXXXXのご返金に関する個人データ消去依頼に関しまして、ご心配をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
本件について、すでに当カスタマーサービスにご連絡いただき、重複したご案内となり恐縮ではございますが、当サイトのシステム上直ちにデータを削除することができかねます。しかしながら、当該データを今後使用することはなく、一定期間経過後、自動的に削除される仕様となっております。何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
当サイトは、製品やサービスの購入に関するお客様へのお知らせ、お客様体験の向上、法的義務の遵守などのために、お客様の個人情報を使用します。お客様のプライバシーとデータのセキュリティを保護することは、当サイトにとって常に最優先事項です。
当サイトがお客様の個人情報を、どのように保護するかについては、以下のプライバシーページをご覧ください。
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=G7LUHQG6TKZRR4QQ
また、当サイトのプライバシー規約については、以下をご覧ください。
https://www.amazon.co.jp/privacy
なお、アマゾンではセキュリティ上の理由により書面でのお問い合わせを承っておりません。恐れ入りますが、今後のお問い合わせは書面ではなく下記のURLからご連絡いただきますようお願いいたします。
https://www.amazon.co.jp/contact-us/
その他ご不明な点がありましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。
Amazon.co.jp カスタマーサービス XX
ご利用ありがとうございました。
Amazon.co.jp
個人情報保護法第37条の『「所定の申請書式」「正式な請求手続き」「正式な請求手続きを定めたウェブサイトのURL」等はございません。』との回答なので、ユーザ任意の方法で提出したんだけどね。
(さらに言うと、通常の問合せ方法では埒が明かず、消費者センターに相談したところ、「経緯を記して代表者宛に簡易書留で送ってください」との助言を得て送ったものです)
個人情報保護法第37条についての言及はなく、あくまでも日本の法律軽視の姿勢だな…と改めて感じざるを得ませんでした…。

